研究課題/領域番号 |
17590984
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
布施 一郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教授 (90242429)
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研究分担者 |
古川 達雄 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教授 (00272849)
鳥羽 健 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60313540)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | トロンボキサン受容体 / ADP受容体 / コラゲン受容体 / Phospholipase C / 血小板刺激伝達異常症 |
研究概要 |
機能異常を呈する血小板を用いた分子生物学的研究により正常な血小板機能の発現機序を検討すると共に、機能異常の本態の分子レベルでの解明を試み以下の成果が得られた。 (1)トロンボキサン受容体(TP)異常症に関する研究 本症6例について障害部位を検討し、全例がTPの膜7回貫通構造のうち、first cytoplasmic loopに存在するArg^<60>がLeuに変異していることを明らかにした。このことば、TPのfirst cytoplasmic loopに存在するArg^<60>及びその近傍が、G蛋白-PLCβ活性化への刺激伝達機構に関与する重要な部位であることを強く示唆している。 (2)細胞内Ca動員以降のシグナル伝達異常症に関する研究 3例について検討し、全例がA23187や、トロンビン、STA2刺激時のイノシトール3燐酸の産生やCa動員は正常であった。さらに、上記3種類のアゴニスト刺激時の47K蛋白(Pleckstrin)や20K蛋白(myosin light chain, MLC)の燐酸化も全く正常に認められた。このことは、本症血小板ではprotein kinase C活性化から細胞内Ca動員、MLC燐酸化へ至る血小板活性化経路には異常がなく、これよりdistalの経路の異常か、これらの経路とはindependentな他の経路の異常が疑われた。 (3)コラゲン凝集異常症に関する研究 本症血小板ではコラゲン刺激時にのみsecond messengerの産生が認められず、他のアゴニスト刺激時ではすべて正常であった。このことは本症血小板ではPLC活性化-細胞内Ca動員-Glycoprotein IIb/IIIa(CD41)活性化の経路そのものには異常なく、その障害部位はコラゲン受容体からPLC活性化へ至る経路であることが明らかとなった。
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