研究課題
●ZFF29遺伝子の強制発現<方法>ZFF29タンパクのグロビン遺伝子発現活性化能をnon-erythroid cellで検討した。2005年度に構築したZFF29aおよびZFF29b発現ベクターを非赤血球系細胞株であるHL60とKG-1にエレクトロポレーション法で導入し、G418耐性となった細胞群(cell pool)からRNAを抽出しε、γ、βグロビン遺伝子の発現をRT-PCR法で調べた。コントロールを含めベクターそれぞれについて独立した2つのcell poolを作り検討した。<結果>εグロビン遺伝子の発現:HL60細胞では目的遺伝子を導入しないコントロール細胞で明らかな発現を認めず、これはZFF29a、ZFF29bの強制発現系においても変化を認めなかった。一方KG-1細胞ではコントロール細胞でεグロビンはすでに発現していた。ZFF29遺伝子の強制発現はεグロビン遺伝子の発現に影響しないようであった。γ・βグロビン遺伝子の発現:HL60、KG-1どちらもコントロール細胞でγ、βグロビン遺伝子の発現を認めなかった。これらのnull-expressionはZFF29a、ZFF29bの強制発現系においても変化を認めなかった。<考察>ZFF29はa/bどちらの型も骨髄球系細胞株におけるグロビン遺伝子の発現を活性化しなかった。この結果はK562細胞を用いて行った同様の実験結果と対照的であり、ZFF29のグロビン遺伝子活性化に何らかの赤血球特異的因子の関与を示唆していると考えられる。
すべて 2006
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Oncogene Sep 11(Epub ahead of print)
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