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2006 年度 実績報告書

骨髄異形成症候群の多段階発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17590998
研究機関広島大学

研究代表者

原田 浩徳  広島大学, 病院, 助手 (10314775)

キーワードAML1 / RUNX1 / 骨髄異形成症候群(MDS) / 点突然変異 / RTK-RAS / セカンドヒット
研究概要

骨髄異形成症候群(MDS)の分子発症メカニズムに関して、我々はAML1の点突然変異がMDS発症のマスターイベントであることを明らかにし、セカンドヒットとなる協調遺伝子群すなわちc-kit〜RASシグナル伝達経路の付加異常を同定した。本研究はAML1遺伝子異常とこれら協調遺伝子の異常によるMDS発症分子機構の解明を目的とし、MDSに対する特異的分子標的療法の開発を目指すものである。
今年度の研究では、AML1点突然変異体を造血幹細胞に導入して解析を行った。まず、マウスの造血幹細胞にレトロウイルスベクターを用いてAML1点変異体を導入したところ、MDS様の形態変化が観察された。これをマウス個体に移植すると、数ヵ月後に白血病を発症して死に至った。当初AML1点変異単独では白血病に至らないと推測していたため、意外な結果であったが、レトロウイルスベクターの導入された部位により他の遺伝子発現を変化させていることが示唆され、これらと協調して白血病を発症すると考えられた。このMDSモデルマウスの解析結果は学会等で発表し、現在論文投稿中である。次に、ヒト造血幹細胞への導入を行った。AML1遺伝子変異単独で導入した場合、長期液体培養やメチルセルロースによる継代培養において異常増殖・形態異常を認めた。セカンドヒットとなる遺伝子変異と共に導入すると、異常増殖・形態異常を生じる期間が短縮されることを確認した。これらの解析は、新たなプロジェクトとしてさらに進めていく予定である。さらに、AML1点変異を持たないMDS/AMLにおけるマスターイベントとして、CEBPA遺伝子異常を発見し、発表した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Implications of somatic mutations in the AML1/RUNX! gene in myelodysplastic syndrome(MDS) : Future molecular therapeutic directions for MDS.2006

    • 著者名/発表者名
      Harada H, et al.
    • 雑誌名

      Current Cancer Drug Targets 6

      ページ: 553-563

  • [雑誌論文] 特集[骨髄異形成症候群(MDS) : 病態の解明と最新の治療]MDSの発症と進展の分子機構2006

    • 著者名/発表者名
      原田浩徳 他
    • 雑誌名

      血液・腫瘍科 53・2

      ページ: 136-143

  • [雑誌論文] AML1/RUNX1点変異をもつMDS/AMLの多段階発症機構2006

    • 著者名/発表者名
      原田結花 他
    • 雑誌名

      血液・腫瘍科 53・1

      ページ: 83-90

  • [雑誌論文] AML1点異変をもつ骨髄異形成症候群(MDS)の多段階発症機構2006

    • 著者名/発表者名
      原田浩徳 他
    • 雑誌名

      広島医学 59・4

      ページ: 379-382

  • [雑誌論文] Hyperactivation of the RAS signaling pathway in myelodysplastic syndrome with AML1/RUNX1 point mutations2006

    • 著者名/発表者名
      Niimi H, et al.
    • 雑誌名

      Leukemia 20・4

      ページ: 635-644

  • [雑誌論文] AML1点異変を有する骨髄異形成症候群(MDS)の多段階発症メカニズムの解明2006

    • 著者名/発表者名
      原田浩徳 他
    • 雑誌名

      長崎医会誌 81・supp1

      ページ: 354-357

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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