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2005 年度 実績報告書

原因不明の溶血性貧血の新たな病因解明

研究課題

研究課題/領域番号 17591013
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

藤井 寿一  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70107762)

研究分担者 菅野 仁  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70221207)
キーワード遺伝性非球状性溶血性貧血 / ピルビン酸キナーゼ異常症 / グルコース-6-リン酸脱水素酵素異常症 / 疾患感受性遺伝子 / α-ヘモグロビン安定化タンパク
研究概要

われわれは国内の諸施設より依頼された原因不明の遺伝性非球状性溶血性貧血(HNSHA)症例を検索し、既知の赤血球酵素異常症であるピルビン酸キナーゼ異常症2例とグルコース-6-リン酸脱水素酵素異常症9例を診断した。
わが国では年間約100例のHNSHA症例が新たに診断されているが、そのうち約70%については未だ診断が確定せず、何ら新たな検索はなされていないのが現状である。
α-ヘモグロビン安定化タンパク(AHSP)は赤血球で高発現する分子シャペロンで、遊離α-グロビンと安定な複合体を形成して、細胞毒性の高い活性酸素種の発生を防ぐ。AHSPノックアウトマウスではハインツ小体陽性の代償性慢性溶血が認められる。またマウスではβ-サラセミアのmodifier遺伝子であることが明らかになっている。そこで、今年度はAHSPがヒトHNSHAの疾患感受性遺伝子か否かの検討を行った。
赤血球酵素異常症および不安定ヘモグロビン症が否定されたHNSHA症例で薬剤誘発性の急性溶血例とハインツ小体陽性例の合計26症例及び対照100例に関して、AHSP遺伝子周辺のSNPsをタイピングした。個々のSNPおよびハプロタイプに関して遺伝統計解析を行なった。7つのSNPsの内、4つにおいて遺伝型頻度に有意差を認めた。特にイントロン1のSNP(rs4296276)に関して患者群ではA/Aのホモ接合体が有意に多いことが明らかになった(p=0.000803)。ハプロタイプ解析では、ハプロタイプIIのホモ接合体が患者に有意に多かった(オッズ比8.9091)。今年度の研究により、AHSPが遺伝性溶血性貧血における新規の疾患感受性遺伝子の一つと考えられる結果が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Ineffective erythropoiesis in mutant mice with deficient pyruvate kinase activity.2005

    • 著者名/発表者名
      Aizawa S, Harada T, Kanbe E, Tsuboi I, Aisaki K, Fujii H, Kanno H
    • 雑誌名

      Exp.Hematol. 33(11)

      ページ: 1292-1298

  • [雑誌論文] A novel homozygous mutation of PKLR gene in a pyruvate-kinase-deficient Korean family.2005

    • 著者名/発表者名
      Park-Hah JO, Kanno H, Kim WD, Fujii H
    • 雑誌名

      Acta Haematol. 113(3)

      ページ: 208-211

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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