研究課題/領域番号 |
17591013
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
藤井 寿一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70107762)
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研究分担者 |
菅野 仁 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70221207)
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キーワード | α-ヘモグロビン安定化タンパク / 溶血性貧血 / 急性溶血発作 / 遺伝子多型 / 酸化ストレス / アンチオキシダント |
研究概要 |
原因不明の溶血性貧血に対する疾患感受性遺伝子としてα-ヘモグロビン安定化タンパク(AHSP)に注目し、薬剤または感染により誘発された急性溶血性貧血例28例と正常対照97例についてケース・コントロール解析をおこなった。その結果、AHSP遺伝子の特定のハプロタイプが急性溶血性貧血症例群に有意に高頻度で観察されることを見いだした。 このハプロタイプを構成する遺伝子多型のうち、ケースおよびコントロール群で異なるのはSNPs4カ所とT反復数多型の5種で、そのすべてがAHSP遺伝子の上流域に存在することから、ハプロタイプ間で転写活性が異なることを作業仮説として、赤芽球系細胞株K562を用いてレポーター遺伝子(ルシフェラーゼ)アッセイを実施した。その結果、患者群で有意に高頻度観察されるハプロタイプは、コントロールに比して約30%に転写活性が低下することが明らかになった。 次にin vitro mutagenesisの手法を用いて、患者群でユニークなハプロタイプを構成する多型5カ所を導入し、コントロールハプロタイプと転写活性を比較検討したところ、SNP(-201A→G)の導入で約40%、T15の導入で約80%へと転写活性が低下した。一方、残りのSNPs3種の導入はいずれも転写活性を変化させなかったことから、赤芽球系細胞株におけるAHSP遺伝子の転写にはSNP(-201A/G)が重要であると結論した。この-201Aを含む配列は転写因子CDX1のコンセンサス配列に含まれており、AHSP遺伝子の転写活性化にCDX1が関与するかどうか、今後の検討が必要と考えられた。 本研究により、AHSPが新規の溶血性貧血疾患感受性遺伝子であることを同定し、AHSP遺伝子プロモーター領域のSNP(-201A→G)によりAHSP発現低下が生じることが病因と結論出来た。
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