研究課題/領域番号 |
17591015
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
緒方 清行 日本医科大学, 医学部, 教授 (20169171)
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研究分担者 |
田村 秀人 日本医科大学, 医学部, 助手 (70256949)
辻 孝 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (50339131)
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キーワード | 骨髄異形成症候群 / 白血病幹細胞 / CD45 / CD7 |
研究概要 |
昨年報告した様に、骨髄異形成症候群(MDS)において、一部のCD45陰性細胞はCD7を発現していることを見い出し、CD7発現の有無と細胞増殖能やアポトーシスとの関連を検討することにした。しかしながら、CD45-CD7+細胞は極めて微量であるため、この検討は非常に困難であった。そこで、「比較的細胞を得やすいCD34+CD7+細胞とCD34+CD7-細胞について、それらの生物学的特徴を比較し、その結果からCD45-CD7+細胞の意義・細胞性格を演繹し、さらにその一部についてはCD45-CD7+細胞で実証する」、という実験計画へ変更した。この実験結果から、CD34+CD7+細胞はCD34+CD7-細胞に比較し、細胞生存に関して優っており(apoptosisになり難い・細胞増殖力が強いなど)、また前者は後者の母細胞である可能性が高い(in vitroで前者は後者を産生することができる)ことが示された。以前に、他のグループから、CD7は多系統の血球細胞に分化する未熟幹細胞に発現しているのではないかと報告されている。多系統の血球に分化するCD7+CD4-CD8-stem cell leukemiaの報告もある。これらを総合し、CD45-CD7+は極めて未熟な造血幹細胞ではないかと考えている。 また、これらの研究を通じてCD34+細胞の抗原発現がMDSでは特殊なパターンを示し、これがMDSの診断を確認する上でも役立つことも見い出した(裏面研発表参照)。
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