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2005 年度 実績報告書

ループス腎炎を惹起するヒト病原性抗DNA抗体の出現機序の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591026
研究機関東北大学

研究代表者

平林 泰彦  東北大学, 病院, 講師 (70312577)

研究分担者 石井 智徳  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10282138)
高澤 徳彦  東北大学, 病院・医員 (50359519)
宗像 靖彦  東北大学, 病院・助手 (20271950)
キーワード全身性エリテマトーデス / ループス腎炎 / 抗DNA抗体
研究概要

抗DNA抗体の一部は腎組織障害性を有しループス腎炎の病態形成に関与しているが、DNA自体の免疫原性は低く抗DNA抗体の産生機序は未だ不明である。私達は腎障害性ヒトモノクロナル抗DNA抗体産生クロンO-81のDNA以外の対応抗原として小胞体ストレス応答性蛋白Herpを同定した。HerpにはDNAと分子相同性を持つエピトープがあると考えられた。このエピトープが抗原として認識されるとDNA交叉結合性抗Herp抗体、つまり抗DNA抗体の原型が形成されるという仮説を立て、この検証中である。
1、Herpによる自己抗体産生および腎障害性の検討。Herpおよび対照抗原としてHen egg lysozyme(HEL)を各10匹ずつBALB/cマウスの腹腔内に2週間ごとに計10回免疫した。
(1)いずれのマウスでも明らかな行動異常や皮膚病変などは見られなかった。
(2)Herp免疫マウスでは抗核抗体、抗ssDNA抗体、抗dsDNA抗体の産生が認められたが、HEL免疫マウスではこれらの自己抗体は見られなかった。
(3)Herp免疫マウスでは腎糸球体にIgGや補体C3の沈着が認められた。
2、SLE患者におけるHerp結合性抗体と抗DNA抗体との関連性。
(1)SLE患者よりProteinA/GカラムとHerp固相化カラムを用いて精製したHerp結合性IgGはssDNAおよびdsDNAに結合した。
(2)SLE患者よりProteinA/GカラムとDNA固相化カラムを用いて精製した抗DNA抗体はHerpに結合した。
以上より、Herp免疫により健常マウスで抗DNA抗体の産生と腎障害が生じる事が示された。また、ループス腎炎患者血清中にHerpとDNAとに交叉結合する自己抗体が検出された。外的要因(小胞体ストレス)が抗DNA抗体の産生に関与する機序を分子レベルで説明しうるこれまでにない知見と考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Q Fever with Clinical Features Resembling Systemic Lupus Erythematosus2006

    • 著者名/発表者名
      Hiroto Ohguchi
    • 雑誌名

      Internal Medicine 45(5)(印刷中)

  • [雑誌論文] 自己抗体と細胞ストレス:抗DNA抗体産生における小胞体ストレス応答性蛋白の役割2006

    • 著者名/発表者名
      平林泰彦
    • 雑誌名

      日本臨床免疫学会会誌 29(2)(印刷中)

  • [雑誌論文] Ku80 autoantigen as a cellular coreceptor for human parvovirus B19 infection.2005

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiko Munakata
    • 雑誌名

      Blood 106(10)

      ページ: 3449

  • [雑誌論文] 抗DNA抗体の産生機序2005

    • 著者名/発表者名
      平林 泰彦
    • 雑誌名

      日本臨床免疫学会会誌 28(4)

      ページ: 194

  • [雑誌論文] Granulocyte-macrophage colony-stimulating factor and lung immunity in pulmonary alveolar proteinosis.2005

    • 著者名/発表者名
      Ryuushi Tazawa
    • 雑誌名

      American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 171(10)

      ページ: 1142

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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