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2006 年度 実績報告書

ループス腎炎を惹起するヒト病原性抗DNA抗体の出現機序の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591026
研究機関東北大学

研究代表者

平林 泰彦  東北大学, 病院, 講師 (70312577)

研究分担者 石井 智徳  東北大学, 病院・助手 (10282138)
高澤 徳彦  東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (50359519)
宗像 靖彦  東北大学, 病院・助手 (20271950)
キーワード全身性エリテマトーデス / ループス腎炎 / 抗DNA抗体
研究概要

抗DNA抗体の産生機序は不明である。私達は腎障害性ヒトモノクロナル抗DNA抗体O-81が小胞体ストレス応答性蛋白Herpに交叉結合する事を見出した。前年度において、Herp免疫BALB/cマウスで抗DNA抗体の産生と腎障害が生じる事、また、ループス腎炎患者血清中にHerpとDNAとに交叉結合する自己抗体が存在する事を示した。今年度は以下の事を明らかにした。
1、活動期SLE患者、非活動期SLE患者、および健常人の末梢血単核球(PBMC)におけるHerpの発現を間接免疫蛍光染色法にて検討した。
(1)活動期SLE患者PBMCではHerp蛋白を強発現しているものを多く認めたが、非活動期SLE患者や健常人ではその発現は微弱であった。
(2)タブシガーギン処理にて小胞体ストレスを加えると、健常人PBMCでもHerp蛋白が発現するが72時間後には発現は低下した。しかし、Herp蛋白を強発現した活動期SLE患者PBMCでは、無処理で72時間培養してもHerp蛋白を強発現している細胞を多く認めた。
2、活動期SLE患者、非活動期SLE患者、および健常人のPBMCにHerp蛋白を添加し、抗DNA抗体産生クローンが出現麦るいは増加するかをELISPOT法で検討した。
(1)活動期SLE患者PBMCでは抗dsDNA抗体産生クローンの出現あるいは増加が認められた。dsDNAや鶏卵リゾチームの添加では変化がなかった。
(2)血清抗DNA抗体が陰性化している非活動期SLE患者のPBMCや健常人のPBMCでは抗dsDNA抗体産生クローンの出現はなかった。
以上より、活動期SLEのPBMCではHerp蛋白が強発現されており、それらが抗原認識される可能性がある。また、Herpは爽疫寛容になっておらずヒトSLE患者の抗DNA抗体産生クローンを抗原刺激できると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] A potential trigger of nephritogenic anti-DNA antibodies in lupus nephritis2006

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiko Hirabayashi
    • 雑誌名

      Autoimmunity Reviews

      ページ: 87-88

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 抗DNA抗体産生における小胞体蛋白の意義2006

    • 著者名/発表者名
      平林泰彦
    • 雑誌名

      臨床免疫 45

      ページ: 650-655

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Q fever with clinical features resembling systemic lupus erythematosus2006

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Ohguchi
    • 雑誌名

      Internal Medicine 45

      ページ: 323-326

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 自己抗体と細胞ストレス : 抗DNA抗体産生における小胞体ストレス応答性蛋白の役割2006

    • 著者名/発表者名
      平林泰彦
    • 雑誌名

      日本臨床免疫学会会誌 29

      ページ: 65-72

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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