研究課題/領域番号 |
17591042
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河野 誠司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20351512)
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研究分担者 |
熊谷 俊一 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00153346)
小柴 賢洋 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70301827)
森信 暁雄 神戸大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10294216)
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キーワード | PD-1 / PDリガンド / ループス腎炎 / マウスモデル / シェーグレン症候群 |
研究概要 |
1.NZB/W F1マウスのSLE自然発症におけるPD-1/PD-L発現の研究 NZB/W F1マウスを用いて、腎炎発症前と発症後の腎臓・リンパ節・脾臓を摘出し、抗マウスPD-1/PD-L1・PD-L2抗体・抗T/Bリンパ球抗体などを用いて、浸潤リンパ球・間質細胞・腎実質細胞におけるNZB/W F1・PD-L2の発現分布を免疫化学染色や多重染色を用いた免疫蛍光組織染色などにて解析を開始した。その結果、腎炎発症前のNZB/W F1マウスにはPD-1/PD-L1・PD-L2が発現せず、リンパ球浸潤のある腎炎の尿細管や浸潤リンパ球にPD1/PD-L1の発現を認めることが分かった。 2.NZB/W F1マウスに対する抗PD-L1/L2抗体の投与実験 抗マウスPD-L1/L2中和抗体の腹腔内投与により、NZB/WF1マウスの腎炎発症が増悪するかを調べる。現在、ハイブリドーマをラット腹腔内に注射し、抗PD-L1抗体の大量調整が進み投与実験に必要な量の抗体が調整できたところである。 3.ヒト唾液腺におけるPD-1・PD-L1発現の検討 ヒト・シェーグレン症候群の唾液および口唇生検標本を材料として唾液中リンパ球のPD-1発現や唾液腺組織中のPD-1・PD-L1発現を検討した結果、唾液中Tリンパ球や唾液腺浸潤Tリンパ球がPD-1を発現していることが分かった。またPD-1発現Tリンパ球が抑制性サイトカインであるIL10を発現していることが分かった。一方シェーグレン症候群の唾液腺で抗原提示の始まる場所とされる導管においてPD-L1の発現が認められた。このことは、PD-1/PD-L1システムがシェーグレン症候群の末梢トレランス誘導に関与していることを示唆するデータである。
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