研究課題
平成18年度に以下の研究成果を得た。1.NZB/W F1マウスのSLE自然発症におけるPD-1/PD-L1発現の研究NZB/W F1マウスを用いて、腎炎発症前と発症後の腎臓・リンパ節・脾臓を摘出し、抗マウスPD-1/PD-L1・PD-L2抗体・抗T/Bリンパ球抗体などを用いて、浸潤リンパ球・間質細胞・腎実質細胞におけるNZB/W F1・PD-L2の発現分布を免疫化学染色や多重染色を用いた免疫蛍光組織染色などにて解析した。その結果、腎炎発症前のNZB/W F1マウスにはPD-1/PD-L1・PD-L2が発現せず、発症後のリンパ球浸潤のある腎炎の尿細管や浸潤リンパ球にPD1/PD-L1の発現を認めることが分かった。また、糸球体血管内皮細胞にもPD-L1の発現することが明らかになったが、メザンギウム細胞にはPD-L1の発現はみられなかった。また、マウス脾臓の実験から、PD-1が、CD4陽性T細胞には発現するが、CD8陽性T細胞には発現しないことが明らかになった。2.NZB/W F1マウスに対する抗PD-L1抗体の投与実験抗マウスPD-L1中和抗体の腹腔内投与により、NZB/WF1マウスの腎炎発症が増悪するかを調べた。月齢4ヶ月より3ヶ月間抗PD-L1抗体を投与すると、非投与マウスに比較して、投与マウスは尿蛋白がより早期に出現し、また早期に腎不全により死亡するマウスが出現し、抗PD-L1抗体がNZB/WF1マウスの腎炎発症を増悪させることが明らかになった。1.2.よりPD-1/PD-L1システムが、NZB/W F1マウスの増悪因子として関与していることが明らかになった。
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