研究課題
基盤研究(C)
平成17年度ヒト葉酸リセプターβ(FRβ)に対するリコンビナントタイプイムノトキシン(94b)を作成し、その効果をFRβ強制発現細胞、関節リウマチ滑膜細胞で検討したところ、3ng/ml(IC_<50>)の低濃度にてアポトーシスを誘導した。このイムノトキシンのIn vivoにおける効果を関節リウマチ滑膜をSCIDマウス耳下に移植したモデルにて検討したところ、炎症性サイトカイン(TNFα、IL6)血管新生(CD34^+)マクロファージ(CD68^+)、活性化線維芽細胞(VCAM-1^+)の減少が免疫組織染色にて確認された。平成18年度次に、これらの2種の抗ヒト葉酸リセプターβ抗体がアカゲサルの組織マクロファージの葉酸リセプターβに反応するか検討した。抗体36bは組織マクロファージの1部に反応したが、抗体94bは組織マクロファージに反応しなかった。そこで、リコンビナントイムノトキシン投与による実験的サル関節炎の効果は毒性試験のみになるため、実験的マウス関節炎でのイムノトキシンの効果を検討することにした。マウス葉酸リセプターβ遺伝子をクローニングし、ラット肥満細胞株に遺伝子導入後、ラットに免疫して9種のラット抗マウス葉酸リセブターβ単クローン抗体を得た。これらの抗体はマウス葉酸リセプターαとは反応せず、マウス葉酸リセプターβ特異的抗体と考えられた。これらの抗体による葉酸リセプターβの発現を腹腔マクロファージ、脳、肺、脾臓、腎臓、腸、皮膚で検討したところ、腹腔マクロファージ、肺、腸の組織マクロファージにおいて反応性がみられたが、ヒトの同組織のマクロファージに比べて発現細胞は少なかった。これらの結果からサルやマウス組織での葉酸リセプターβ発現マクロファージは少なく、炎症において増加することが示唆された。現在これらの抗体を用いてイムノトキシンを作成中である。
すべて 2006
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Arthritis & Rheumatism 54(10)
ページ: 3126-3134
Arthritis & Rheumatism. 54(10)