関節リウマチ(RA)患者由来の滑膜細胞が増殖因子刺激により腫瘍様増殖を示す点に注目し、生理的条件に近いコラーゲンゲルを用いた3次元培養系を確立した。RA滑膜細胞は無刺激では球形に近い形態をとるが、増殖因子刺激によりシグナル分子の活性化とアクチン再構成を介して突起の著明な伸長を示して増殖し、それらは増殖因子受容体阻害薬イマチニブで阻害された。また、滑膜細胞の増殖はTリンパ球との共培養で促進された。以上より、RAの病態における増殖因子とリンパ球浸潤の役割、ならびにイマチニブのRA新規治療薬としての有用性が示された。
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