研究分担者 |
菅井 進 金沢医科大学, 医学部, 名誉教授 (20064537)
梅原 久範 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70247881)
高橋 裕樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00264523)
北川 和子 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60102042)
西森 功 高知大学, 医学部, 講師 (30237747)
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研究概要 |
日本全国の10施設より合計85症例の症例登録あり。そのうち64例をIgG4+MOLPS(IgG4関連多臓器リンパ増殖症候群)と診断。それらと典型的シェーグレン症候群(SjS)との比較検討を行った。 1、自覚症状としての口腔乾燥、眼乾燥、関節痛の頻度は、IgG4+MOLPSでは有意にSjSより低率であった。また合併症としてのアレルギー性鼻炎、自己免疫性膵炎は有意にIgG4+MOLPSで高率であった。 2、検査値としては、IgG4+MOLPSではRF,ANA A-SSA抗体,A-SSB抗体の陽性率が明らかに低率で、total IgG,IgG2,IgG4,IgG4,IgEが有意に高値を示した。 3、IgG4+MOLPSの病変組織ではリンパ球浸潤、形質細胞浸潤が著明で、IgG4陽性形質細胞が増加(IgG4+/IgG>50%)しており、更に線維化や硬化像が特徴的であり、一方SjSではIgG4陽性細胞は殆ど見られなかった。 4、臨床的にはIgG4+MOLPSはステロイド治療の反応性が良好であった。 5、以上より、臨床像や傷害臓器は類似しているものの、IgG4+MOLPSは典型的SjSとは異なった疾患群である事が判った。 ここまでのデータに関して、既に英文論文を執筆し投稿中である。 以上のデータをもとに、2007年9月21日、22日に京都にて開催された第16回日本シェーグレン症候群研究会において、IgG4関連Mikulicz病の診断基準(案)を提案し、2008年の同会で承認を得る予定となっている。 更に、自己免疫性膵炎を中心とした消化器病グループとも共同で、本邦発の新たな疾患概念としてのIgG4関連疾患全体の診断基準および治療指針を確立していく予定となっている
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