研究概要 |
1)抗II型コラーゲン抗体誘導関節炎モデルを用いた解析 1.LECT2遺伝子導入によるLECT2遺伝子欠損マウスにおける関節炎抑制の至適条件の検討 LECT2発現プラスミドをLECT2遺伝子欠損マウスの尾静脈からハイドロダイナミック法により導入し、発現プラスミド、導入時期等を変えて、抑制効果の至適化を行った。その結果、宮崎らが開発したpCXN2を発現ベクターに用いることにより安定して血中LECT2の発現が得られることが分かった。DNA導入後少なくとも1日までは、100ng/ml程度以上の血中LECT2濃度が保たれた。このことにより抗II型コラーゲン抗体誘導関節炎を発症させたLECT2KOマウスはマウスLECT2発現ベクター導入により関節炎が抑制されることが統計的優位差もって証明できた。 2.LECT2遺伝子導入によるLECT2遺伝子欠損マウスにおける関節炎抑制に伴うサイトカインの発現の抑制同関節炎発症LECT2KOマウスに対しLECT2遺伝子発現プラスミドを導入することにより関節炎の進行に関わるサイトカインIL-1,IL-6,MCP-1,MIP-1a,MIP-2の発現も抑制されることが明らかとなった。 2)ヒト滑膜細胞に対する組換え体LECT2の作用の検討 ヒト滑膜細胞にLECT2が作用する可能性を考え、アポトーシス、IL-1,IL-6等の炎症性サイトカインの産生への影響についてELISA法、RT-PCR等で調べたが、LECT2の滑膜細胞に対する作用を検出できなかった。 3)LECT2レセプターのクローニング レトロウイルス発現ベクターを使い遺伝子ライブラリーからLECT2レセプター遺伝子の同定を試みた。
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