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2006 年度 実績報告書

末梢血線維細胞の機能解析による気道リモデリングの危険因子の同定と予防法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17591075
研究機関福井大学

研究代表者

大嶋 勇成  福井大学, 医学部附属病院, 講師 (40303391)

キーワードロイコトリエン / エンドセリン / リモデリング / 喘息
研究概要

気道の慢性炎症ではリモデリングによる構造変化を伴うことが多い。気管支喘息では気管支に生じるリモデリングが遷延する呼吸機能低下の一因になると考えらており、リモデリング発症の危険因子を同定することが、喘息重症化の予防となる。気道リモデリングには様々なサイトカインや成長因子が関与することが報告されている。喘息患者の気道で増加しているロイコトリエン(LT)やエンドセリン-1(ET-1)もリモデリングに関与することが示唆されているが、その相互作用については明らかになっていない。そこで、ヒト肺正常線維芽細胞を用いてその相互作用の解析を行った。その結果、エンドセリン-1で線維芽細胞を刺激するとシステイニルロイコトリエンレセプター(CysLTR)のmRNA、蛋白の発現増強が認められた。10^<-7>MのLTD4はET-1で刺激された線維芽細胞のα-平滑筋アクチン、カルポニンの発現を増強し筋線維芽細胞への分化を促進したが、ET-1刺激を受けていない線維芽細胞の分化には影響を与えなかった。ET-1刺激は内因性のTGF-b1産生を増強したが、内因性のTGF-b1はET-1による分化誘導には関与していないと考えられた。LTD4はET-1刺激を受けた線維芽細胞のマトリックスメタロプロテナーゼ2産生とI型コラーゲン産生を増強した。CysLTR1の選択的阻害剤はLTD4の効果を抑制した。これらの結果から、LTD4はET-1により惹起される気道リモデリングをさらに増悪すること、CysLTR1の選択的阻害剤は細胞外基質の過剰な分解を抑制するのに有用であることが示唆された。また、CysLTRの発現誘導とLTD4に対する反応性は、気道リモデリングに関与する因子の役割を解析する上で有用なマーカーと考えられ、末梢血線維細胞を用いてのハイリスク患者の同定への応用が期待された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 気道構成細胞と喘息 樹状細胞2007

    • 著者名/発表者名
      大嶋勇成
    • 雑誌名

      喘息 20(In press)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Transmaternal exposure to bisphenol A modulates the development of oral tolerance2007

    • 著者名/発表者名
      Ohshima Y, Yamada A, Sato S, et al.
    • 雑誌名

      Pediatr Res (In press)

  • [雑誌論文] アレルギー性炎症の発症機序2006

    • 著者名/発表者名
      大嶋勇成
    • 雑誌名

      日本小児科学会誌 111

      ページ: 16-22

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 小児喘息におけるICSの有用性と位置付け2006

    • 著者名/発表者名
      大嶋勇成
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科 46

      ページ: 48-52

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 胎内感作とアトピー素因2006

    • 著者名/発表者名
      大嶋勇成
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科 46

      ページ: 262-266

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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