研究課題/領域番号 |
17591076
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
安井 耕三 信州大学, 医学部小児医学, 助教授 (90200493)
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研究分担者 |
高本 雅哉 信州大学, 大学院, 講師 (90226928)
馬場 淳 信州大学, 医学部小児医学, 助手 (00324252)
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キーワード | マクロファージ / 好中球 / 喘息 / 炎症 / ショック / サイトカイン / β2刺激薬 / 好中球性炎症 |
研究概要 |
血球貪食症侯群は、ウイルスや細菌などの感染や悪性疾患・自己免疫疾患などがその原因となり、マクロファージがこれらの病態のもとでサイトカインによる異常刺激を受けた結果生じると考えられている。ウイルス感染に伴って本疾患が発現した場合、NK細胞によるウイルス感染細胞の排除機構の障害・遷延化とともにTh1優位となったリンパ球から産生されるインターフェロンγが過剰の状態となり、マクロファージが異常活性化され貪食能が亢進した状態が、本態と考えられている。症状は激烈であり、予後不良な症例も多い。治療としては基礎疾患に対する治療に加え、副腎皮質ステロイドや免疫グロブリンおよび血漿交換などが用いられているが、治療の作用機序として不明な点が多く、また有効性からも本態に基づいた治療の確立が望まれている。本研究の目的は、活性化されたマクロファージの細胞死を誘導することにより、組織障害、血小板減少をはじめとする血液凝固障害を安全に改善させることが可能か臨床応用を検討するものである。 本年度の研究により食細胞の機能亢進が、病態に関わるものとしてあらたに喘息の急性悪化に関わる、感染症の関与、好中球の病態の関与が証明できたほか、こうした食細胞の細胞死誘導に活性酸素による自己誘導とSODの治療応用が示唆できた。また交感神経刺激薬の特性(完全・不完全作動薬)の違いにより、抗炎症作用として作用を持つことが明らかにされた。 残念ながら本年度は動物実験施設の肝炎ウイルス感染事故により動物感染実験による血球貪食症候群モデルの作成や、治療研究には至らなかった。
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