研究課題
アレルギー疾患は遺伝的要因に環境要因が影響し発症する。そこでアレルギーの病因遺伝子と、病態を分子遺伝学的に解明することは、病気の発症予測につながり、個人個人に最適な医療いわゆるオーダーメイド医療を確立することにつながると思われる。本研究では、このアレルギーの素因を規定している遺伝子を解明するとともに、これまでに明らかとなっている遺伝子群を速やかに同定し、臨床に応用することを研究の目的とする。今年度の研究実績は以下のとおりである。1)アレルギー関連遺伝子を分類分けすると、抗原提示に関係するもの、IgE産生過剰を引き起こすサイトカインに関連する遺伝子、メディエーター産生に関与する遺伝子、および標的臓器に関するものに整理される。この中で、IgE抗体の産生過剰をTh1細胞からのIFN-γの産生に関わるサイトカインおよびアラキドン酸カスケードに存在する酵素の塩基排列の検討を行った。5-lipoxygenaseに新たな多型を同定した。2)抗アレルギー薬のうちロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン抑制薬の反応性と多型との関連についての検討を行ない、IL-13多型、LTC4Sプロモーター多型とTh2サイトカイン抑制薬の効果に関連が認められることが明らかになった。3)上記の結果を中心としてさらにアレルギーを系統的に遺伝子学的に分類し、これらの遺伝子診断(予知・早期診断)キットを開発している。その方法としてインベーダー法を採用している。従来法に比較して、簡便であること、迅速に結果が得られるといった利点があり、安価にできることで、臨床の場に広く応用できると考える。現在、アレルギー患者109名、健常対象者196名の解析をもとに、臨床応用にむけた解析を行なっている。
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