cysteinyl leukotriene(cysLT)は気管支平滑筋収縮作用を有する。ロイコトリエン受容体拮抗薬の気管支喘息に対する作用は気管支平滑筋収縮抑制作用以外にも明らかにされつつある。しかし、cysLT1受容体を有するCDI4+単球/マクロファージへの作用はいまだ明らかではない。CD14+単球/マクロファージにおけるcysLT1受容体機能を明らかにし、ロイコトリエン受容体拮抗薬の作用を検討した。matrix metalloproteinase-9(MMP-9)は気道上皮細胞基底膜の主要構成成分であるコラーゲンIVを分解することから気道リモデリングへの関与が示唆されている。また難治喘息患者では局所にtumor necrosis factor-α(TNF-α)が強く発現することが報告されている。単球/マクロファージのcysteinyl leukotriene(cysLT)受容体機能をTNF-αによるMMP-9産生に対する影響の面から検討した。 [方法]1.ヒト単球系THP-1細胞を用いてcysLT(LTC4、-D4、-E4)+TNF-α刺激によるMMP-9産生をELISAで検討した。2.上記1の実験系においてMMP-9mRNA発現をRT-PCRで検討した。3.cysLT1受容体拮抗薬であるプランルカスト水和物の上記1および2に対する抑制作用を検討した。 [結果]1.LTC4およびD4はTNF-α刺激によるMMP-9発現を増強した。2.LTC4およびD4はTNF-α刺激によるMMP-9 mRNA発現を増強した。3.プランルカスト水和物は1および2を抑制した。 [結論]単球/マクロファージにおいてHC4およびD4はTNF-α刺激によるMMP-9発現を増強し、その作用はプランルカスト水和物により抑制された。
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