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2005 年度 実績報告書

川崎病発症の遺伝的背景に関するマイクロアレイ法を用いた網羅的解析研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591094
研究機関九州大学

研究代表者

大野 拓郎  九州大学, 大学病院, 助手 (10325441)

研究分担者 楠原 浩一  九州大学, 大学院・医学研究院・成長発達医学分野, 助教授 (20243941)
山本 健  九州大学, 生体防御医学研究所・ゲノム集団遺伝学分野, 助教授 (60274528)
キーワード川崎病 / マイクロアレイ / 多型解析 / TIMP2 / CCL3
研究概要

サイトカイン関連遺伝子を含むサイトカインチップを用いたマイクロアレイ解析を川崎病冠動脈病変合併症例と非合併症例で実施し、冠動脈病変合併例の末梢血単核球中で常に高発現である12のサイトカイン関連遺伝子が候補遺伝子としてリストアップされた。これらの遺伝子について多数検体を用いた定量RT-PCRを行ったところCCL3(C-Cmotifligand)およびTIMP2(tissue inhibitor of metalloproteinase2)が有意に高発現であることが確認された。
次に、この二つの遺伝子について、プロモーター領域の多型解析を行った。多型解析の対象は冠動脈病変合併例64例、非合併例144例、川崎病罹患歴のない成人例184例。CCL3プロモーター領域には一つのSNP(single nucleotide polymorphisms)が存在したが、川崎病既往の有無や冠動脈病変合併の有無による有意な差は認めなかった。一方TIMP2プロモーター領域には、対照群でマイナーアリル頻度10%以上のSNPが5か所あった(rs8080623、rs8179090、rs8179096、rs8179091、rs8179093)。その内の3か所のマイナーアリル頻度は、冠動脈病変合併群、非合併群の順に0.15 vs 0.27(rs8080623)、0.09 vs 0.21(rs8179090)、0.10 vs O.22(rs8179096)であり両群間に有意な差を認めた(P<0.01)。これらのSNPsは主に3つのハプロタイプを構成しており、ひとつのハプロタイプを持つことと冠動脈病変合併との間に関連があることが判明した(P<0.01)。更にこの3つのハプロタイプを用いたルシフェラーゼアッセイを行った所、HEK293 cell lineやHeLa cell lineでは、各ハプロタイプ間のルシフェラーゼ活性に有意差は認められなかったが、単球系cell lineであるU-937を用いた場合、冠動脈病変合併との間に関連があったハプロタイプでルシフェラーゼ活性が有意に低下し、単球・マクロファージの著明な活性化とそれに引き続き起こる血管炎を主体とする川崎病の血管病変形成にTIMP2が重要な役割を果たしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Magnetic resonance studies of brain lesions in patients with Kawasaki disease2006

    • 著者名/発表者名
      Muneuchi J et al.
    • 雑誌名

      Brain and Development 28

      ページ: 30-35

  • [雑誌論文] Kawasaki disease (Kawasaki syndrome)2005

    • 著者名/発表者名
      Ohno T et al.
    • 雑誌名

      Nippon Rinsho 63Suppl5

      ページ: 391-399

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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