研究課題/領域番号 |
17591100
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
舘 延忠 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (80136944)
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研究分担者 |
山下 利春 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50167706)
小塚 直樹 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90225459)
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キーワード | SMARD1 / IGHMBP2遺伝子 / 変異IGHMBP2 cDNA / 培養ラット神経細胞 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
Spinal muscular atrophy with respiratory distress(SMARD)は、早期より横隔膜神経麻痺による呼吸不全を呈すよりspinal muscular atrophy type 1(Werdnig-Hoffmann病)と臨床的に区別される。最近、この疾患の原因遺伝子としてimmunoglobulin mu-binding protein 2(IGHMBP2)遺伝子変異が同定された。この遺伝子はnmdマウスの原因遺伝子と同じである。我々は、本邦で最初のIGHMBP2遺伝子変異が確認された3家系のSMARD1を経験した。平成17年度は変異IGHMBP2 cDNAの作製と神経細胞の培養系を確立した。変異IGHMBP2 cDNAの作製:Human IGHMBP2 cDNA(hSμBP2)は、京都大学免疫ゲノム医学講座の本庶佑教授より供与されたのを用いた。Human IGHMBP2cDNAを使用し、PCRによるsite-directed mutagenesis法を用い我々が同定した変異IGHMBP2(C2685A)cDNAを作製しシークエンスで確認した。培養神経細胞の作製:16日の胎児ラツトの後根神経節をとりだしトリプシンで処理して培養した。髄鞘形成は坑Po抗体を用いて確認した。平成18年度は,野生型と変異C2685A IGHM BP2 cDNAを組み換えアデノウイルスの作製のためのベクター(pAd-BgIII)へサブクローンした。このプラスミドとE1を欠如したアデノウイルスゲノム(pJM17)を293細胞ヘリポフェクタミンを用いてcotransfectionして組み換えアデノウイルスを得た。これら組み換えアデノウイルスを293細胞に感染させ、x-gal染色にて確認し後に、破壊し遠沈しその培養上清を上述のラットの培養神経細胞に感染させた。培養神経細胞の神経細胞体、軸索、髄梢におけるIGHMBP2の発現を抗IGHMBP抗体を用いて免疫組織学的および微細構造は電子顕微鏡を用いて解析した。結果:変異C2685A IGHMBP2 cDNAを導入した培養神経における髄鞘形成は野生型と差異は認めなかった。また、軸索の微細構造にも変異導入と野生型とは差異は認めなかつた。
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