研究概要 |
1.ヒトTLR3遺伝子発現プラスミド及びコントロールプラスミドの作成:ヒトTLR3遺伝子発現プラスミドベクターpUNO-hTLR3-HA(Invitrogen, San Diego, CA)は大腸菌DH5α内で増幅され、QIAGEN Plasmid Midi Kit(QIAGEN, Valencia, CA)にて精製された。pUNO-hTLR3-HAをEcoRVで切断しhTLR3遺伝子の大部分を除去したコントロールベクターpUNO-HAは、同様にDH5αで増幅し精製された。精製された各々のプラスミドはPCRにて存在が確認された。 2.ヒトTLR3遺伝子のCOS-7細胞への発現:サル腎細胞由来COS-7細胞へ、上記の2種類のプラスミドベクターをLipofectamine 2000(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)を使用してトランスフェクションを行なった。トランスフェクション24〜72時間後にトランスフェクションされた細胞からtotal RNAを抽出し、RT-PCRにてヒトTLR3 mRNA発現を確認した。 3.ヒトTLR3発現COS-7細胞へのRSウイルス感染:上記の2種類のプラスミドベクターをそれぞれCOS-7細胞にトランスフェクションし、24時間後にヒトRSウイルス(RSV)Long株をm.o.i.0.1で感染させた。感染24〜72時間後の培養上清からウイルスRNAをQIAamp Viral RNA Mini Kit(QIAGEN)を使用して抽出し、RT-PCRにてRSVゲノムを検出した。結果は、ヒトTLR3発現細胞においてコントロール細胞よりもRSV遺伝子がより強く検出され、ヒトTLR3に抗RSV作用のあることが示唆された。但し、上記の結果はまだpreliminaryであるため再現性を確認すると共に、real-time RT-PCRにてRSVゲノムを定量的に検出する予定である。
|