研究課題/領域番号 |
17591103
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00305369)
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研究分担者 |
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
陶山 和秀 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90423798)
高野 恵 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40448634)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50322342)
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キーワード | HGF / α-SMA / ヒト糸球体 / HSPN |
研究概要 |
【目的】α-smooth muscle actine (α-SMA)と肝細胞増殖因子(HGF)が、慢性腎炎の発症機序にいかに関与しているかを明らかにするため紫斑病性腎炎(HSPN)患児におけるα-SMAとHGF受容体(c-Met)の糸球体内発現の程度を検討した。 【対象】対象は1997年から2004年までの7年間に当科で経験したHSPN患児30例とした。これら患児を腎生検にて半月体形成を認めたI群(n=20)と半月体形成を認めなかったII群(n=10)に分類した。I群はその後の経過で検尿所見が改善したI-a群と検尿所見が持続するかあるいは腎機能低下がみられたI-b群に分けた。各群の初回腎生検検体とI群の再生検検体を使用してHE, PAS染色とα-SMA抗体、anti-human HGF受容体(c-Met)抗体を用いた免疫染色を行い、α-SMA陽性細胞、c-Metの発現の有無と腎組織変化との関連性を検討した。 【結果】1)I群患児ではII群患児と比較して糸球体内、間質内のα-SMA陽性細胞浸潤が高度であった。さらに、I-b群患児ではI-a群患児と比較してα-SMA陽性細胞浸潤が多く認められた。2)糸球体内のc-Metの染色性は、I群患児において有意に多く発現していたが、I-a、I-b群間で差はなかった。3)糸球体内、間質内のα-SMA陽性細胞浸潤度は慢性指数と相関性を有した。 【結論】α-SMA陽性細胞の発現度は、HSPNの病理組織学的重症度と関連性があり、その発現の持続はHSPNの予後の指標になり得ると考えられた。
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