研究課題/領域番号 |
17591103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00305369)
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研究分担者 |
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
陶山 和秀 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90423798)
高野 恵 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40448634)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50322342)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 糸球体内皮細胞 / 糸球体上皮細胞 / 再生 / FB21 / HGF / α-SMA |
研究概要 |
私達は、各週齢におけるヒト胎児腎での内皮細胞形成時期や形成過程を明確にすることを目的として、FB21とα-Smooth muscle actin(SMA),ネフリンとCD31およびCD34を用いた免疫組織染色法にて各週齢におけるヒト胎児腎の染色程度を検索し、胎児期における糸球体内皮細胞の発生を検討した.その結果、胎児腎および乳児腎の糸球体におけるFB21、CD31やCD34の染色度は、胎生25週以降の糸球体内皮細胞で反応し、胎生40週にはほぼ成人と同様の染色性を有すること、また、α-SMAやnephrinの染色性はS期ではじめて認められ、その後、V、S、C、M期を経て段階的に進展し成熟することが明らかになった。 一方、肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor,HGF)は、多くの慢性臓器疾患に対して実質再生を促し線維化への進展を予防する因子とされており、腎組織においても腎組織障害時の修復因子の一つであり、動物実験において糸球体内皮細胞や上皮細胞の抗アポトーシス作用や内皮細胞障害時の血管新生およびメサンギウム細胞基質の増生抑制に働くことが報告されている。そこで、私達はヒト腎炎におけるHGFの役割を明らかにするために紫斑病性腎炎(HSPN)患児におけるHGFとHGF受容体(c-Met)発現度と腎炎の糸球体や間質の硬化性変化との関連性を検討した。その結果、腎機能低下や持続性腎炎を呈した症例では、血清中のHGF濃度は低く、糸球体内c-Metの発現度が低いことが示された。これはすなわちHGF濃度が高く、c-Metの発現性が高い症例ほど腎機能が保持され、障害糸球体の再生過程においてHGFやc-Metが関連している可能性を裏付ける成績であった。
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