研究課題/領域番号 |
17591110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
嶋 緑倫 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (30162663)
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研究分担者 |
櫻井 嘉彦 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (80347559)
野上 恵嗣 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50326328)
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キーワード | 凝固波形 / トロンビン生成 / 第VIII因子 / 第IX因子 / 凝固速度 / 凝固加速度 |
研究概要 |
平成17年度は血液凝固機能を評価す目的で凝固波形解析とトロンビン生成試験を中心に解析を行った。凝固波形解析は全自動凝固分析装置(MDA-II)を用いて行った。凝固過程における透過光の変化をリアルタイムにモニタリングして、凝固前相、フィブリン形成相、凝固後相の透過度を凝固波形として描出した。さらに、透過度の変化をコンピューター処理を行い、透過度の1次微分および2次微分により凝固最大速度、凝固最大化速度を算定した。トロンビン生成試験はHemkarらの方法に基づいて教室で改良した。血漿サンプルをレプチラーゼで処理をして脱フィブリン化し、合成リン脂質と遺伝子組み換え型組織因子と5分間混和反応させた。CaCl_2をトリガーとしてトロンビン生成反応を開始させ、合成発色基質S-2238を用いて産生された内因性トロンビンを測定した。トロンビン生成能のパラメーターとして、トロンビンピーク値(peak height ; PH),ピークにいたるまでの時間(time to peak ; TTP)を算定して用いた。凝固波形による凝固機能とトロンビン生成能との関連性を明らかにするために、第VIII因子活性(0-100 IU/dl)群、第VIII因子活性(0-1 IU/dl)群、第IX因子活性(0-100 IU/dl)群、第IX因子活性(0-1IU/dl)群の4群について両測定法のパラメーターを比較検討した。第VIII因子活性2群において、凝固波形とトロンビン生成能のパラメーターは良好に相関した。第IX因子(0-100 IU/dl)群でも良好に相関したが、微量第IX因子群では相関は悪かった。以上より、凝固波形解析による凝固機能評価は第VIII因子の超微量域においても良好にトロンビン生成能を反映していることが判明した。これは、重症血友病A患者に代表される凝固障害症の凝固機能さらに治療効果について凝固波形解析が有用であることを示唆した。
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