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2006 年度 実績報告書

アデノ随伴ウイルスベクターを用いた血友病Aの治療法の開発と改良

研究課題

研究課題/領域番号 17591112
研究機関自治医科大学

研究代表者

松下 卓  自治医科大学, 医学部, 助手 (20343444)

キーワードアデノ随伴ウイルス(AAV) / 遺伝子治療 / FVIII / 血友病A
研究概要

パルボウイルスのB19のプロモーターを用いたBドメイン欠如型のAAV-FVIIIベクターを作製した。in vitroでベクタープラスミドを用いてFVIII因子の発現の確認をしたところ、CAGプロモーターを用いた重鎖/軽鎖のDualベクターによる発現に比べて、凝固活性は約70%ぐらいになるものの、十分な発現が得られたと考えた。そこでAAVの血清型のうち、筋肉に対する親和性が高いAAV1ないしAAV9の構造をもつAAV-FVIIIベクターを作製した。これらのベクターを用いて5週齢のC57BL/6マウスの前頸骨筋に筋注して、2週毎に採血してマウス血中のヒトFVIII抗原をELISA法にて測定した。残念ながら、十分な発現は両方のベクターともにみられず、さらにBethesda法による中和抗体の測定によって、4週後から徐々に中和抗体が上昇することが確認された。この中和抗体の産生を抑制するために、Nature Medicine 12(5),p585-591,2006を参考にして、FVIIIのcDNAの下流に血液系の細胞のmicroRNAに感受性のあるシーケンスを付加したベクターを作製した。これによって樹状細胞等の血液系の免疫担当細胞にベクターが導入された場合にはFVIIIが産生されず、抗体産生が抑制されることを期待した。この構造のAAV1およびAAV9ベクターを作製して、同じく5週齢のC57BL/6マウスに筋注してヒトFVIIIの発現を観察した。どちらの血清型のベクターを筋注したマウスでも、FVIII抗原は測定感度以下であった。Bethesda法による中和抗体の測定も行ったが、抗体は検出されなかった。その結果、FVIII抗原が検出されないのは中和抗体の上昇によるものではなく、筋肉細胞中でも付加したシーケンスがmicroRNAに感受性があり、FVIII自体の発現が低下したためと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Utility of intraperitoneal administration as a route of AAV serotype 5 vector-mediated neonatal gene transfer.2006

    • 著者名/発表者名
      Ogura T, et al.
    • 雑誌名

      The Journal of Gene Medicine 8・8

      ページ: 990-997

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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