本研究の目的は、副腎皮質細胞におけるStAR遺伝子構造-機能解析を行い、先天性リポイド副腎過形成症の原因となる変異StAR遺伝子の機能をin vitroで解明することである。すなわち.1.StAR KO mouse由来不死化副腎皮質ステロイドホルモン産生細胞株(以下StAR(-)不死化副腎細胞株)を樹立する。2.StAR(-)不死化副腎細胞株を用いてStAR遺伝子構造-機能解析を行い、変異StAR遺伝子のステロイドホルモン産生細胞における機能を解明する。 平成17年度〜平成18年度科学研究費補助金(17591113)により、以下の成績を得た。 1.StAR(-)およびwild不死化副腎細胞株の樹立:8適齢のImmortomouse/StARノックアウトマウスおよびImmortomouseの摘出副腎を用い、StAR(-)不死化副腎細胞株およびwild不死化副腎細胞株を樹立した。StAR(-)不死化副腎細胞株およびwild不死化副腎細胞株のステロイドホルモン産生能をRT-PCRによるSF-1およびP450sccの発現により確認した。 2.ステロイドホルモン産生能を確認したStAR(-)不死化副腎細胞株に、リン酸カルシウム法を用いてwild type StARの遺伝子導入を試みた細胞において、wild type StARのmRNA発現を確認した。また、ステロイドホルモン産生能を確認したStAR(-)不死化副腎細胞株に、リン酸カルシウム法を用いて変異を導入したStAR(以下mutated StAR)の遺伝子導入を試み、mutated StARのmRNA発現を確認中である。 3.今後の予定:各遺伝子導入したStAR(-)不死化副腎細胞抹およびwild不死化副腎細胞株のステロイドホルモン産生能の差異を検討する。
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