研究課題/領域番号 |
17591118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高橋 昌里 日本大学, 医学部, 講師 (60328755)
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研究分担者 |
村上 仁彦 日本大学, 医学部, 助手 (90386037)
長田 道夫 筑波大学, 医学部, 教授 (10192238)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | charge barrier / チャージバリア / 蛋白尿 / ネフローゼ症候群 / IgA腎症 / Podocyte disease / 荷電選択性 / charge selectivity |
研究概要 |
本研究では血液および尿中のIgAとIgGのクリアランス比を用いて算出するcharge selectivity index(CSI)を考案し、それを用いて種々の尿蛋白を呈する病態でcharge barrier機能の評価が可能であることを示した。すなわちIgA腎症、紫斑病性腎炎、膜性増殖性腎炎、Alport症候群などの慢性糸球体腎炎ではCSIが1前後を示し漏出する蛋白にチャージバリア機能は殆ど機能しておらず、障害された糸球体における蛋白漏出部位においてチャージバリアの機能は破綻していると考えられた。他方、特発性ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬化症、フィンランド型先天性ネフローゼ症候群などいわゆるPodocyte diseaseにおいてはCSIは0.45程度で陰性化電蛋白(IgA)は中性〜陽性荷電蛋白(IgG)のおよそ半分しか漏出せず、チャージバリア機能は働いていると考えられた。 次にネフローゼ症候群などPodocyte diseaseのチャージバリア機能が正常と比較してどうなっているかについて正常糸球体との比較で検討を行った。正常糸球体のcharge barrier機能はDent病の尿蛋白を用いることで評価が可能と考えられたためDent病のCSIを測定した。その結果CSIは0.2前後であった。このことはネフローゼ症候群などPodocyte diseaseにおいてはチャージバリア機能は働いているものの正常と比較して機能低下が生じていることを示唆する(preliminary data)。この結果は引き続き研究の余地があり、研究成果は学会報告(日本小児腎臓病学会学術奨励賞受賞)にとどまった。さらにネフローゼにおける蛋白漏出機構にメンタルストレスが関連すること、ネフローゼの治療効果の発現に多剤耐性遺伝子の一つであるMDR1が関与することなどを発見し報告した。
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