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2005 年度 実績報告書

胎児新生児期の内分泌攪乱物質暴露が生殖能及び中枢神経機能の発達に及ぼす影響の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591138
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

亀井 良政  東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (00251265)

キーワード内分泌撹乱物質 / エストロゲン / ビスフェノールA / アポトーシス / グルタミン酸 / Bax / 小脳顆粒細胞
研究概要

エストロゲンが中枢神経系に対して保護的に作用することに関しては数多くの研究により実証されている。本研究は、エストロゲン作用を有する様々な内分泌撹乱物質の胎児期・新生児期の暴露がその後の中枢神経系の発達にいかなる影響をもたらすかについて、検討を加える目的で行うものである。
グルタミン酸(Glu)は、中枢神経系細胞のアポトーシスの発生において中心的な役割を果たす神経伝達物質であるが、新生児期の神経細胞は、成人に比してGlu毒性に対し非常に脆弱である。Baxは、Bcl-2 family proteinの一つで、中枢神経系細胞のアポトーシスの過程において、細胞質からミトコンドリア(Mit)へと移行し、Mitからのcytochrome cなどのapoptogenic因子の放出を促すproapoptotic蛋白である。
本年度はまず、中枢神経細胞におけるエストロゲンのアポトーシス抑制効果について、神経細胞初代培養系を用い、このグルタミン酸負荷による神経細胞のアポトーシスがいかなる機序で発症しているのかを検討した(論文投稿中)。
日齢7のS-Dラットより採取した新生仔小脳顆粒細胞初代培養系を用いて、Glu負荷よるアポトーシス誘導モデルを作製した。Glu負荷に対するBIPのアポトーシス抑制効果につき以下のアッセイを施行した。(1)cell viability(MTT assay)(2)TUNEL染色(3)caspase3、caspase9活性の測定(4)Baxの細胞内局在の解析(細胞分画→Western Blotting法)
<結果>(1)Glu負荷によりアポトーシスは誘導され、caspase3、caspase9活性の上昇、BaxのMitへの移行、Mitからのcytochrome cの放出がみられることを確認した。(2)BIPは濃度依存性にGlu毒性による神経細胞死を抑制し、Glu負荷15分後の投与でも抑制効果を有した。(3)BIP投与により、Glu負荷によるTUNEL陽性細胞数は減少した。(4)BIP投与によりcaspase3、caspase9活性は抑制され、Baxとcytochrome cの細胞内移行も抑制していた。
<考察>以上の実験結果から、Glu負荷よる神経細胞のアポトーシスはBaxを介することが明らかとなった。次年度はビスフェノールA投与による中枢神経細胞のアポトーシス抑制効果の有無を検討するとともに、その効果がBaxを介するか否かにつき検討を加える予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 母児のダイオキシン類への曝露状況と次世代への影響2005

    • 著者名/発表者名
      高井泰, 生月弓子, 亀井良政, 竹内亨, 堤治, 武谷雄二
    • 雑誌名

      周産期学シンポジウム 23

      ページ: 35-43

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 双胎経腟分娩2005

    • 著者名/発表者名
      亀井良政, 花田信継
    • 雑誌名

      産科と婦人科 72

      ページ: 235-241

  • [雑誌論文] 母体因子によるFGR2005

    • 著者名/発表者名
      亀井良政, 宮地恵子
    • 雑誌名

      臨床婦人科産科 59

      ページ: 1587-1589

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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