研究課題/領域番号 |
17591140
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
常石 秀市 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (10271040)
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研究分担者 |
横山 直樹 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20314487)
森沢 猛 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (30379375)
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キーワード | アポトーシス / myelination / PAR-1 / 低酸素性虚血性脳症 / 新生児 / 白質障害 |
研究概要 |
グリア細胞の分化にとって重要な役割を担っている機能的トロンビン受容体の活性化制御によるグリア関連髄鞘構成蛋白の発現を検討した。ラットC6細胞(膠芽腫)において、cAMPによる刺激はGFAPの発現(アストログリアへの分化)、レチノイン酸の刺激はプロテオリピッド蛋白(PLP)の発現(オリゴデンドログリアへの分化)を誘導する。この刺激物質による分化誘導に、前処置としてProtease-activated Receptor-1(機能的トロンビン受容体)のagonistであるTRAP14を添加作用させておくと、これらグリア細胞への分化が抑制された。この抑制作用はPLPのmRNAレベルにより強く認められた。 逆に、PAR-1の活性化を阻害するために、E5510(PAR-1抑制物質、エーザイ)を添加しておくと、GFAP、PLPの発現は強く促進された。また、合成antisense DNAによる前処置でPAR-1mRNAの発現量を抑制しておくと、同様にGFAP、PLPの発現が増加した。 これらの結果より、グリア細胞の分化にとってPAR-1は大きな役割を果たしており、この受容体を調節することでグリア細胞の分化を制御できる可能性が考えられた。また、我々は幼若ラットの低酸素虚血負荷モデルにおいて、PAR-1の活性化が脳障害時のアポトーシスを抑制し、神経細胞死を防止することをすでに報告している。すなわち、脳障害時におけるPAR-1活性化の調節が、アポトーシスを直接抑制して神経保護に寄与するばかりでなく、グリア分化を抑制することでより未分化な状態に留め、障害への閾値を上げる手段となりうることを示唆している。
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