研究課題/領域番号 |
17591152
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
前野 泰樹 久留米大学, 医学部, 准教授 (90248401)
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研究分担者 |
廣瀬 彰子 久留米大学, 医学部, 助教 (60330825)
堀 大蔵 久留米大学, 医学部, 准教授 (80157049)
丸岡 浩 久留米大学, 医学部, 講師 (50229605)
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キーワード | 胎児診断 / 先天性房室ブロック / 母体抗SSA抗体 / 胎内治療 / 胎児心エコー検査 |
研究概要 |
正常胎児に対する房室伝導時間の計測を胎児心エコーのドプラ法により施行し、在胎週数による変化を明らかにした。特に、新たな計測方法として、これまで行って来た上大静脈と上行大動脈の同時血流波形の他に、左室流入流出波形による計測と、左室流入波形のA波の幅の計測を行い、この臨床的な有用性についても検討した。そして、本年度の最終的な目的である、抗SSA抗体陽性母体の胎児に対し、プロトコールに従い、経時的な房室伝導時間の計測を行った。研究期間中に20例の母体に対して、前方視的に経過観察を行った。これまで房室ブロックの発症頻度は10%前後と言われていたが、今回の症例の中には、胎児の房室ブロックを発症した症例は無く、早期発見による早期治療の効果についての検討は行う事ができなかった。 研究結果として、房室伝導時間の各計測方法の在胎週数による変化と、各計測方法の関連について検討し、平成21年2月の胎児心臓病研究会に分担研究者の廣瀬が報告した。結論としては、将来的にスクリーニングとして房室伝導時間を2次施設でも計測が必要と成ることを想定すると、左室流入波形のA波の幅を計測する事が簡便であり、スクリーニングに有用である可能性が示唆された。今後、前方視的検討により、その有効性を証明して行く必要がある。 経母体的ステロイド投与による胎内治療に関しては、経時的にフォローした症例からの発症はなかったが、すでに発症した症例の管理は行った。一例で、出生後の副腎不全を認め、極めて重要な問題点と考えられ、学会報告を行った。
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