研究概要 |
強皮症モデルマウス皮膚におけるヒトHGF遺伝子プラスミド投与による皮膚硬化に対する効果とサイトカイン、ケモカイン、蛋白分解酵素の動態の検討 (1)HGF遺伝子プラスミド投与による皮膚硬化抑制の解析 ブレオマイシン(BLM)をC3Hマウスに4週間、連日皮下注射し硬化を誘導した。その後、ヒトHGF cDNA (2.2Kb)をVector plasmidに挿入後、HJV-liposomeに組み込み10mcg/mouse筋肉内に2週間ごとに2回投与しPBSを筋肉内に投与した群と4週間後に比較検討した。BLM最終投与4週間後に、背部皮膚を切除し組織学的に検討する。一部の実験ではホルマリン固定した組織標本において、H&E染色以外にトルイジンブルー、ギムザ、コンゴレッド染色を各々施行し、硬化病変部における皮膚の厚さと結合織の変化を検討。また、皮膚ハイドロキシプロリン量をWoessnerの方法を用いて測定。その結果、HGF cDNA投与群では皮膚の厚さ結合織の効果さらに、human HGFがmRNA、蛋白レベルで発現しているかを明らかにするため皮膚、肺、筋肉、腎臓などの臓器の抽出液および血清よりRT-PCR法、ELISA法を用いて測定する。HGFの発現分布を検討するため、硬化が低下していた。ヒトHGF抗体を用いて免疫組織化学的に検討したところplasmid投与群では明らかに増強がみられた。さらに、皮膚におけるTGF-β1の発現レベルを測定するためELISA, RT-PCR法を用いてmRNA,蛋白レベルで定量比較したところHGF-plasmid投与群ではTGF-β1の発現レベルが低下していた。今後、肺線維症におけるHGF-plasmidの効果を検討する。 (2)HGF遺伝子によるサイトカインの動態の検討 HGF遺伝子プラスミドあるいはコントロールプラスミドを投与した強皮症マウスの皮膚をそれぞれ採取し、発現されているサイトカイン(TGF-β,PDGF, CTGF, IL-6, IL-4, IL-5, bNGFなど)をRT-PCR法と免疫組織法を用いて検討する。HGF投与してそれぞれに皮膚におけるサイトカイン発現を検討し、主要な役割をはたすサイトカインを検出したところTGF-bは減少していた。
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