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2006 年度 実績報告書

遊走性環状紅斑随伴性先天性表皮水疱症をモデルとしたケラチン病の分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17591164
研究機関岐阜大学

研究代表者

市來 善郎  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (30223093)

キーワード表皮水疱症 / ケラチン
研究概要

単純型先天性表皮水疱症(EBS)はケラチン遺伝子異常によりケラチン分子さらにKIF構築異常をもたらし基底細胞内に裂隙をきたし、臨床的には水疱を生ずる遺伝性疾患である。最近研究代表者らは、通常のEBSに見られる全身の水疱とびらんに加えて四肢体幹に遊走性遠心性に拡大する紅斑を伴ったEBS2家系を詳細に検討し遊走性環状紅斑随伴性単純型先天性表皮水疱症と命名し報告した。DNA解析では、KRT5の1649de1Gによりフレームシフトを起こし、読み過ごし変異から正常よりも長いアミノ酸鎖を形成していることを明らかにした。さらにこの変異アミノ酸鎖に対するポリクローナル抗体を作成し、この変異アミノ酸が患者皮膚で発現していることを確認した。すなわち異常K5蛋白の発現がケラチン中間径線維構築に影響を与え表皮基底細胞に裂隙をきたしている可能性を示した。今回の研究では、この症例において遺伝子異常により生じた変異アミノ酸やケラチン尾部に結合するケラチン関連蛋白が角化細胞の運動や分化にはどのように関わってくるのかをin vitroで検討することを計画した。結果」1)変異K5をpCMVベクターを用いて種々の培養ケラチノサイト(HaCaT, DJM-1,NHEK)にトランスフェクションし形態的異常を観察した。wild typeに比べ変異K5遺伝子を導入したHaCaT, DJM-1でケラチン凝集塊が多い傾向があったが有意差はなかった。NHEKでは凝集塊に差はなかった。これは患者病変部の電顕像でtonofilamentの異常凝集塊がみられなかったことと一致し、この変異がケラチン線維形成には大きく影響しないことを示唆している。2)変異アミノ酸を認識する抗体を用いて、患者及び正常皮膚で免疫組織学的に変異K5の発現を検討した結果、患者では表皮下層に、また正常でも角層内に陽性所見を認めた。これはK5のalternative splicingについて検討する必要性を示唆している。3)変異K5のアミノ酸配列と顆粒層に発現する蛋白のアミノ酸配列のホモロジーを検索したところ11個中5個がロリクリンと一致する配列2ケ所が確認された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Thrombotic thrombocytopenic purpura associated with systemic lupus erythematosus2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshiro Ichiki, Yasuo Kitajima
    • 雑誌名

      Eur J Dermatol (in press)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 皮膚の事典(溝口昌子他 編集)2007

    • 著者名/発表者名
      市來善郎, 北島康雄(分担)
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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