平成18年度におこなった実験内容と、その結果は以下のとおりである。 健康人由来の、すなわち野生型のケラチン9(以下、正常ケラチン9と略す)と、患者由来の、すなわちアミノ酸の置換を生じるような点突然変異を持つ変異型のケラチン9(以下、変異ケラチン9と略す)を各々制御酸素できり出して、それらを各々蛍光を発する蛋白をコードするcDNAと連結し、組み換え体を作製し、それらを細胞にトランスフェクトすることにより、優性抑制の解除を検出しうるモデル細胞は平成17年度に作製した。このレポーターを内在的に持つ細胞に対して、1個の点突然変異(DNAのレベル)を認識し、校正しうる、あるいは干渉しうる実験系で実験をおこなった。予想されたように、干渉をおこなうコンストラクトを持っ外来性組み替え体DNAは、点突然変異ケラチン9の発現を抑制し、そのため病気の発症原因である優性抑制を有意に解除するが、その程度と頻度には、現在までのところ一定の規則性は乏しく、むしろ、ランダムに出しており、結果として総体的には効果の総和としての効果がみられている。 このように平成18年度の研究計画は、おおむね順調に達成され、平成19年度には更なる進展がみこまれている。
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