研究概要 |
細菌DNAに特有の塩基配列である非メチル化CpGモチーフを含むoligodeoxynucleotide(CpG ODN)は、Toll-like受容体(TLR 9)を介して、樹状細胞、マクロファージを活性化しIL-12、IFN-α、TNF-αなどの産生を促進し、さらにB細胞からのIL-6産生を促す。その結果、IFN-γ産生を伴う強いTh1型炎狂反応を惹起する。そこで、アトピ-性皮膚炎モデルマウスのひとつであるNC/Ngaマウスを用いて、CpGODNを用いたアトピ-性皮膚炎の治療の効果と安全性の検証をおこなった。その結果、皮疹の軽快を認めたが、一部のマウスでは悪化を示した。さらにCpG ODN投与によるサイトカイン産生能への影響と疹の発現との関係をみたとこころ、IFN-γ産生増加、IL-4,IL-5,IL-13産生能の低下傾向を認めた。悪化を示したマウスではIFN-γ産生増加が著しかった。 アトピ-性皮膚炎モデルマウスのひとつであるDS-Nhマウスは通常環境下では皮疹の発症は微弱であるが、通常環境下ではブドウ球菌感染とともに皮疹を生じる。このマウスに光触媒の塗布と紫外線照射を行うと皮膚バリア破壊が生じ、その結果黄色ブドウ球菌の増加と皮疹の増悪を認めた。 DS-Nhマウスに環境汚染物質であるトリブチルスズの経口負荷を行った。その結果、不安状態によるた動異常とサイトカイン産生異常(IFN-γ産生増加、IL-4,IL-5,IL-13産生低下)、アトピー性皮膚炎の悪ヒをみた。
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