研究概要 |
1)介入研究の基盤整備 (1)WHO欧州協力センターと共同で日本語版WHO-5精神的健康度尺度を作成し,内科外来通院中の糖尿病患者と地域在住高齢者を対象に,尺度の妥当性を検討した.その結果,いずれの集団においても適切な内的妥当性が認められること,糖尿病患者では感度100%,特異度78.2%でうつ病性障害が検出できること,地域在住高齢者では感度78.3%,特異度76.1%で自殺念慮が検出できることを確認した.本研究結果はすでに国際誌に投稿している. (2)IT関連企業の開発部と共同で,基幹病院(仙台市立病院),保健福祉センター,地域生活支援センター,地域包括支援センターの情報通信網を構築するための基盤調査を行い,ソフトウエア開発のための手順書とスケージュール表を作成した. (3)うつ高齢者のための都市型地域介入プログラムのマニュアルを作成して冊子化した。本マニュアルは平成18年度の仙台市介護予防・地域支援事業マニュアルに導入されることが決定している。 (4)仙台市において自殺予防のためのプロジェクト会議を立ち上げ,関連する部局と研究実施のためのコンセンサスづくりを行った. 2)ベースラインデータ収集 仙台市内の2つの区(宮城野区,太白区)を介入地区と対照地区に設定し,両地区の過去3年間にわたる自殺者数,自殺企図による救急搬送数をベースラインデータとして収集調査した. 3)介入の導入 うつ高齢者のための都市型地域介入プログラムのマニュアルに準拠して,介入地区の保健医療福祉専門職に対する教育を開始した.
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