研究概要 |
平成18年度の研究実績 (1)パニック障害患者末梢血サンプリング 不安障害専門の医療法人和楽会(赤坂クリニック・なごやメンタルクニック)の協力で現在までに700例のサンプル収集を行った。 (2)遺伝子多型解析 体内時計関連遺伝子との関連について、パニック障害患者222名および健常対照群387名を対象に、時計関連遺伝子Per3、CK1ε、CLOCについてTaqMan PCR法により解析を行ったが、パニック障害との関連は示唆されなかった。また、5-HT2C,5-HT6,DRD4,CRHR2遺伝子多型と性格傾向との関連について検討し、CRHR2とOpennessとの関連、DRD4とNeuroticismとの関連が示唆された。 関連研究の対象遺伝子の選定のため、特定領域研究「応用ゲノム」の「精神疾患の遺伝子探索」(代表:岡崎都立松沢病院長)が、東大人類遺伝研究室(徳永教授)との連携で行ったパニック障害に対しする50万SNPsをマーカーとした500K SNPチップを用いたゲノムワイド関連解析研究について解析を行った。患者・対照間の対立遺伝子頻度でp≦0.001の水準にあるSNPsは全ゲノムにおいて1643個存在し、そのうち集積部位に存在するSNPsは431個であり、これらが位置する既知の遺伝子数としては79個見出された。現在、1番染色体領域におけるパニック障害の疾患感受性遺伝子2個について検討し、1次サンプル(パニック障害患者200名、健常対照群100名)、および、2次サンプル(パニック障害患者267名、健常対照者462名)について解析を行った。PDE4BとSYT2について、permutation法によるハプロタイプ全体の比較で一部パニック障害との関連が示唆された。
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