研究課題/領域番号 |
17591208
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
峯田 聖 国立精神・神経センター, 武蔵病院・医局, 医師 (30304893)
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研究分担者 |
岡崎 祐士 東京都立松沢病院, 院長 (40010318)
石黒 浩毅 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20375489)
有波 忠雄 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (10212648)
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キーワード | 統合失調症 / 一卵性双生児不一致例 / ε-sarcoglycan / ジストニア |
研究概要 |
前年度、統合失調症一卵性双生児の不一致例の培養リンパ芽球のcDNAのDNA microarrayを用いた発現量解析でもっとも差異があり、quantitative RT-PCR法により遺伝子発現量の差異が確認されたε-sarcoglycan(SGCE)遺伝子について、統合失調症との関連をさらに明らかにするために、欧米人の統合失調症のトリオ家系114家系を用いて伝達不均衡試験transmission disequilibrium test(TDT)を母系と父系にわけて行ったところ、SGCE遺伝子の親由来による遺伝子刷り込みが統合失調症の発症に関与している可能性を見出した。これは中国人の統合失調症トリオ家系100家系を用いた追試でも確認された。現在、さらに日本人の統合失調症トリオ家系160家系を解析中であり、3民族間の比較を行う計画である。 SGCE遺伝子はミオクローヌスジストニア(DYT11)の原因遺伝子で、統合失調症とミオクローヌスジストニアが共分離した日本人家系の報告がある。 そこで、統合失調症患者約400人について、ミオクローヌスジストニアでこれまで報告された遺伝子変異を検出するプローブを作成しスクリーニングしたが、ミオクローヌスジストニア患者と同じ遺伝子変異を持つ統合失調症患者は見つからなかった。 一方、遅発性ジストニア(TD)は統合失調症の薬物療法の過程でしばしば見られるが、TD群50名、非TD群50名を対象として10万SNPを用いた全ゲノム解析を行ったところ、ジストニア関連遺伝子のうちSGCE遺伝子について最も高い相関を得た。 今後も統合失調症とジストニアとの接点をさらに明らかにし、統合失調症の発症にSGCE遺伝子がどのように関与しているかを証明していく。
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