研究課題/領域番号 |
17591225
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
池本 桂子 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (90184449)
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研究分担者 |
本間 好 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60192324)
丹羽 真一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30110703)
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キーワード | 統合失調症 / 福島精神疾患死後脳バンク / MAO-A / MAO-B / DNAメチル化 / bisulfite sequence法 / DA-RPP-32 / カルシニューリン |
研究概要 |
福島精神疾患死後脳バンクの統合失調症症例のうち、右半球のホルマリン固定サンプルは、組織化学的に検討し、左半球の-80度の凍結標本からはDNAを抽出し、分子遺伝学的解析に供した。前者としては、統合失調症死後脳9例を使用し、年齢、性別、死後から固定までの時間などをマッチさせた健常対照群死後脳9例の前頭前皮質(BA46)を、倫理審査を経て、病院病理部保存中の病理剖検脳からブロックとして切り出し、5μmのパラフィン切片を作成した。DARPP-32(Dopamine and cAMP-regulated phosphoprotein,32KD)、カルシニューリン、GAD (glutamic acid decarboxylase)などの各種抗体を使用し、LSAB (Labeled Strept Avidin Biotin)法による免疫染色を施行した。直像解析ソフトウェア(WinROOF)を用いて、陽性細胞率、陽性細胞密度などを定量し、統合失調症群と健常対照群で、また、海馬、後頭皮質などの領域も追加し、比較検討中である。 一方、統合失調症例死後脳の凍結サンプルについては、妄想型2例、鑑別不能型4例(男性3例、女性3例)のうち、各々から、前頭前野(BA46)、海馬、側坐核、後頭皮質の4領域の脳組織を取り出し、DNAを抽出した。bisulfite sequence法を用いてMAO-A、MAO-Bのプロモーター領域のCpG島のDNAメチル化状態を定量化した。得られたメチル化パターンをマッピングし、年齢、性別、臨床プロフィールとの関連を検討した。その結果、MAO-A、MAO-Bのプロモーター領域のCpG島のPNAメチル化状態は、脳領域によって相違があり、また、統合失調症のタイプによるDNAメチル化の相違よりも、性別による違いが大きいと考えられる所見が得られた。健常対照脳の凍結標本を用いた比較検討は今後の課題である。
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