研究分担者 |
鵜飼 聡 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80324763)
松本 直起 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60326361)
TSUJI Tomikimi Wakayama medical university, School of Medicine, Research associate (10347586)
SHOUYAMA Masaru Wakayama medical university, School of Medicine, Research associate (70364081)
KOSE Asami Wakayama medical university, School of Medicine, Research associate (10405425)
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研究概要 |
統合失調症の生理学的指標の開発を目指して、2連発刺激による抑制効果を統合失調症患者で検討した。2連発経頭蓋磁気刺激pp-TMSで大脳運動野のGABA神経機能を、また2連発聴覚性驚愕反応(prepulse inhibition : PPI)でNMDA受容体機能を検討した。 pp-TMSでは2,3,4msの短間隔刺激による抑制効果(SICI)と10,15msの長間隔刺激による側通効果(LICF)を検討した。刺激強度は1発目80%MT、2発目130%MTとした。統合失調症患者群は健常群と異なりSICIで障害を認めた。SICI障害は定型抗精神病薬服用群、症状重症群、認知・社会機能低下群で強く、病形では解体型で強く妄想型で軽症となる傾向があった。一部の患者ではstate markerとなる可能性が見られた。 PPIは刺激間隔60,120,480,2000ms、一発目20ms、82dB、2発目40ms、112dB、背景雑音70dBとした。統合失調症群はISI60ms,480msにおいて有意な障害を認めた.患者背景(発症年齢、罹病期間、薬物クロールプロマジン換算量、ニコチン量)、精神症状(PANSS,GAF)、認知機能(MMSE,FAB,ATMT)との有意な関連は見出せなかったことよりtrait marker候補と考えられた.他方、olanzapine単独服用群は定型薬服用群よりPPI障害が有意に小さかったが、統制研究ではないため薬理作用によるものと結論するには至らなかった。 この研究によりpp-TMS,PPIはそれぞれstate marker, trait markerの候補となる可能性が得ら眼球追跡運動なども含め、早期統合失調症の早期介入、初発統合失調症の最適治療管理など臨床への応用開発を目指す予定である。
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