研究課題
基盤研究(C)
一般に精神医学において精神症状の客観所見としての計量的評価は今のところ困難で、精神症状や状態像などの客観評価としての計量化が期待される。本研究では精神症状の中でも客観的症状である統合失調症と神経症性障害の表情の特徴・変化の客観的計測の目的の一環として、生理指標である瞬目変化を超小型携帯テレメーターSTS-1と眼球運動解析プログラム(MTS50069)、脳波計等を用い以下の研究を行った。初年度、神経症性障害、幻聴を有する統合失調症(非幻聴群)と幻聴のない統合失調症(幻聴群)の比較を行い幻聴群では非幻聴群(p<0.0005)や神経症性障害(p=0.01)に比べ、作業負荷を加えない安静時の瞬目回数が有意に少なく瞬目間隔が長かった。統合失調症では、精神症状の重症度とも負の相関(r=0.747,p<0.0005)力弐見られた。これはわれわれの視察的な印象に合致するものであった。また次に、長期入院から福祉ホームに入所の統合失調症患者で、その前後の症状変化を不安評価尺度(Zung)と簡易精神症状評価尺度BPRSなどを用いて評価し、注意集中時の瞬目の変化に焦点を当て検討した。福祉ホーム入所前後変化において、不安評価尺度(p<0.01)と総BPRSスコア(p<0.0001)は有意に上昇していたが、BPRSの下位尺度では、非統合失調症尺度(p<0.0007)においてのみ有意な上昇が見られた。一芳、精神機能障害評価スケールMenfis(p<0.05)において有意な改善が見られた。移動群の注意集中課題による集中時瞬目(p<0.05)は有意に減少していた。このことは、福祉ホーム入所後に、不安レベルは増加していたが、パーフォーマンスが改善し、同時に注意集中時の瞬目が改善していた。瞬目変化は視察的パーフォーマンスの改善と平衡関係にあると推測された。
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和歌山医学 58巻3号(印刷中)
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