研究課題
これまでに我々が同定したADRG#34は、抗うつ薬、物理的うつ病治療法の電気けいれん負荷等の全く異なるうつ病治療法において共通して発現増加が認められることから、うつ病の治癒機転に重要な遺伝子であることが考えられた。そこで、ADRG#34の全塩基配列を決定し予想アミノ酸配列についてモチーフ検索を行った結果、C末にRing-H2 finger motifを有することが明らかとなった。Ring-H2 finger motifを有するタンパク質は、虚血、疲労、ストレスなどにより小胞体に蓄積された異常タンパク質をプロテアソームで分解・除去するための小胞体品質管理システムにおいて、異常タンパク質に分解シグナル(ユビキチン)を付加するユビキチンリガーゼ(E3)の機能を有するものが多く報告されている。そこでADRG#34のヒトホモログ(hADRG#34)についてユビキチンリガーゼとしての機能を有するかを検証した。in vitro ubiquitin assayの結果、E1、E2存在下、ATPに依存的にポリユビキチン鎖の形成が認められた。またHEK293細胞にプロテアソーム阻害剤MG-132を添加しhADRG#34で免疫沈降を行った結果、経時的にポリユビキチン鎖の形成が認められ、in vivoにおいてもE3としての機能が認められた。以上のことからhADRG#34は虚血やストレス下で増加する凝集性のunfoldingタンパクを分解除去を行う小胞体品質管理機構において重要な機能を有することが示された。
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