研究課題/領域番号 |
17591236
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
中川 彰子 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70253424)
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研究分担者 |
吉浦 敬 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (40322747)
神庭 重信 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50195187)
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キーワード | 強迫性障害(OCD) / 機能的脳画像 / 神経心理 / 行動療法 / 薬物療法 / Stroop課題 / 症状誘発課題 |
研究概要 |
(背景) これまでの機能的脳画像研究は、強迫性障害(OCD)における前頭葉皮質の過剰活性を示している。しかし、脳機能異常と臨床症状、神経心理機能の関連についてはまだ明らかにされていない。今回OCDの病態生理を明らかにするために、認知課題と症状誘発課題実施時の脳機能の治療前後での変化を測定した。 (対象と方法) 当該研究機関外来を受診し、SCIDによってOCDと診断された患者10名を対象とした。機能的MRI(fMRI)を治療前後に施行し、撮像中、Stroop課題と症状誘発課題を実施した。各患者は、無作為にそれぞれ12週間のfluvoxamine 200mg/dayによる薬物療法(4名)と行動療法(6名)が割り付けられた。画像データは、SPM99を用いて統計解析を行った。 (結果) 12週の治療後、平均のY-BOCS(強迫症状スコア)は、29.00±3.59から14.60±9.22に減少し、臨床症状は重度から軽度に改善した。症状改善後、症状誘発課題における眼窩前頭、背外側前頭前野、前帯状回の脳の賦活量は減少した。一方、Stroop課題における頭頂葉、小脳の活動は増加した。 (結論) fluvoxamineと行動療法によるOCDの症状改善後、症状賦活状態と関連した前頭葉の過剰賦活は減少し、action-monitoring機能と関連する後方脳の活動は増加することが示された。今後、人数を増やして、また他の神経心理課題を用いての検討が必要と思われる。
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