研究課題/領域番号 |
17591238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
妹尾 栄一 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (30226675)
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研究分担者 |
大原 美知子 創造学園大学, ソーシャルワーク学部, 教授 (50360699)
庄司 正実 目白大学, 人間社会学部, 助教授 (90327106)
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キーワード | 青年期 / 薬物依存 / 半構造化面接 / 臨床評価 / 社会医学 / 少年非行 / 嗜癖行動 / 薬物乱用 |
研究概要 |
青年期の薬物乱用・依存の病体に対する、適切な診断評価スケールの標準化を企図して本研究を開始している。平成17年度は、青年期版の依存症質問紙開発の前提となる予備的研究として、最も汎用されているDSM-IVの診断基準が、未成年の薬物依存症者でどの程度の妥当性を有するか、半構造化面接を用いて検証した。対象は国立の児童自立支援施設に在籍する少年(実体的には非行少年)100名で、そのうち入所前に何らかの薬物使用歴のある者50名を解析対象とした。薬物使用者を全体として「機械的使用群(単に知人から譲り受けて2-3回使用したのみ)」と「乱用・依存群」の2群に分別して、なおかつ使用対象薬剤別に、それぞれ診断基準項目の該当率を検証した。その結果、「薬物の使用をコントロールできなくなっている」への該当は、機械的使用群ではあてはまらず、乱用依存群では半数以上が該当している。これに対して「薬物使用に関連して心配していることがある」「薬物を止められたらいいと思う」の質問では、機械的使用群で半数近くが該当し、乱用依存群では半数近くが該当しない事態となっている。 以上の予備的調査の検討を踏まえて、DSM-IVの診断基準に準拠した診断学では、妥当性に疑問があり、次年度の本格調査に先立って、独自の青年期用診断項目の検討を行うこととした。
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