研究課題/領域番号 |
17591240
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
麦倉 俊司 東北大学, 病院, 助教 (20375017)
|
研究分担者 |
高橋 昭喜 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80148874)
日向野 修一 東北大学, 病院, 准教授 (20173148)
隈部 俊宏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10250747)
森 悦郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30368477)
藤井 俊勝 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70271913)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
キーワード | 小児 / 認知機能障害 / MRI / 放射線治療 |
研究概要 |
本研究の目的は小児癌治療後の患者を対象に晩期認知機能障害の有無、程度とMRI機能的画像所見がよく相関するとの仮説を立てこれを検証する事である. 特定非営利活動法人 健康医療評価研究機構SF-36v2日本語版マニュアルに基づき、小児癌治療後患者のQOLの評価法の検討を継続した(研究代表者麦倉俊司、藤井俊勝、高橋昭喜)。4月以降昨年度に継続して、文献や資料の検索を行った(麦倉俊司,高橋昭喜).患者症例の選択(研究代表者,隈部俊宏),MRI機能的画像データ(研究代表者麦倉俊司、日向野修一、高橋昭喜)認知機能テストデータの収集(森悦郎)は継続である.新規登録は月に1から2例程度であった。MRI形態画像での定期的フォローアップにあわせて,画像の解析を行った。認知機能検査は検査項目1日目WAIS-R&数唱(N-1)&Tapping Span-順・逆2時間2日目:WCST-慶応版(第一段階のみ)25分Rey-複雑図形&TMT-AB&語列挙40分、AVLT25分、CPT&WMT30分と決定した。患者群20例程度の画像データの蓄積が行われ、ワークステーション上でデータの解析を行った(麦倉俊司、日向野修一).小児癌(頭蓋内胚細胞性腫瘍患者)最終的に30人、健常人10人のデータを検討した。検討項目は機能的MRIではMRスペクトロスコピーによるCholin/Cr ratio、T2^*強調画像による微小出血の数、perfusionMRIによる局所脳血流量を評価した。小児癌治療後患者では統計学的に有意にCholin/Cr ratioが低下し、微小出血数が多かった。また小児癌治療後患者を脳全体に放射線治療を施行した群(全脳照射群)、脳室レベルにのみ放射線治療を施行した群(脳室照射群)とにわけ、同様の比較検討を行った。全脳照射群では脳室照射群と比べてCholin/Cr ratio比が低下しており、微小出血数が多かった。また認知機能検査では従来の報告で用いられていた検査により小児癌治療後患者の高次機能が低下していることが示された。以上の結果から機能的MRIにより小児癌治療後患者における、治療による障害が定量的に評価できる可能性が示唆された。
|