研究課題/領域番号 |
17591249
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宇野 隆 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30302540)
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研究分担者 |
伊東 久夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20095574)
川田 哲也 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (60234077)
内田 佳孝 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (30261902)
山本 正二 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (40302567)
磯部 公一 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (80334184)
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キーワード | 放射線治療 / 晩期副作用の定量 / 中枢神経 / メタンフェタミン |
研究概要 |
脳腫瘍に対する放射線治療では、目的照射部位以外の正常脳組織に対する照射は、できる限り回避する。しかし、腫瘍の発生部位や種類によっては、正常組織への被ばくを避けられない。照射による障害を行動量から測定することは脳組織の機能的な側面の検討を意味するが、十分な測定環境を付加した実験では動物の運動活性が低く、また照射された動物の行動量が仮に「抑制」されている場合は、その差を検出することは困難で明確な結果が得られない。そこで中枢神経興奮作用を持つメタンフェタミン(覚醒剤methamphetamine : MAP)の運動活性増加効果を利用し、運動量の変化から脳に対する放射線障害を推定する方法を考案した。本研究では、MAP等の運動活性増加パターンや水迷路法による学習・記憶の判定法から正常脳組織の神経伝達機構に対する照射の影響を経時的に検討することを目的とする。本研究では中枢神経興奮作用を持つメタンフェタミン(覚醒剤methamphetamine : MAP)の運動活性増加効果を利用し、運動量の変化から脳に対する放射線障害を推定する方法を考案した。本研究では学習・記憶に関する検討は、コンピュータ管理された水迷路学習装置により、照射による脳の機能障害を経時的に観察した。 本年度は雄ラット(Wistar-Imamichi strain、8週齢)を用い、MAPの投与経路、投与量と運動活性増強パターンの検討を行い、照射後の変化の基礎となるデータを集積した。次いで、ラット脳への重粒子照射を大脳皮質部および海馬から視床下部を含めた部位に実施し、30〜60Gyの照射を実施して照射後のMAPにより誘発された運動活性を測定し、非照射群との比較を行った。照射後の摂食量および体重の測定を実施し、照射線量と障害との関連を検討した。現在、経時的経過観察中である。次年度も引き続き照射と経過観察と行って、障害の定量法を確立していく予定である。
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