研究課題/領域番号 |
17591251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
渡邉 直人 富山大学, 大学病院, 准教授 (40210926)
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研究分担者 |
絹谷 清剛 金沢大学, 医学部, 教授 (20281024)
小川 心一 富山大学, 大学病院, 助教 (60377265)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | I-131 MIBG治療 / 小核試験 / リンパ球 / 放射線障害 |
研究概要 |
褐色細胞腫などに対するI-131 MIBGを用いた放射線内部照射治療について、血液の内で最も放射線感受性が高いと考えられているリンパ球に対して、どの程度の放射性組織障害が出現するのか、小核試験を用いて基礎的に解明しようと考えた。材料及び方法は、I-131 MIBG治療としては各患者当り7.4GBq投与して治療を行った。治療前、治療後10日に患者18名より採血し、リンパ球を遠心分離して用いた。分離したリンパ球に分裂刺激剤であるPHAを投与した。培養44時間後には分裂阻止剤であるCytochalasin Bを投与した。全培養は72時間にて終了した。遠心分離したリンパ球を、林らが考案した方法であるAcridineorangeで染色し、蛍光顕微鏡にて観察し検討した。観察は二核細胞500個当たりの小核細胞の出現数として算出した。経時変化として2名患者では治療後2年にて採血し、リンパ球を同様の方法で評価した。正常者(8名)から採血して、遠心・分離しリンパ球を得た。0-2 Gyまで段階的にリンパ球にX線照射をin vitroで行い小核細胞の出現率を評価した。結果:治療患者18名の検討では、治療前の小核細胞数は9.6±2.6、治療後は46.1±7.7で、小核細胞に有意な増加が認められた。治療患者2名では治療後2年で小核細胞治療前と比較して同等程度に回復した。正常者の検討から、照射量(X)と小核細胞の出現数(Y)には正の相関が見られた(Y=6.7X+26.3,R=0.95)。標準線より算出されたリンパ球の被曝線量は平均1.5Gyと推定された。結論:小核試験法を用いて、I-131-MIBG治療のリンパ球に対する放射線組織障害を評価可能であった。I-131 MIBG治療患者において、リンパ球の放射性組織障害は軽度存在しており、回復には2年程度を要すると推測された。
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