研究概要 |
Tc-99m-Annexin V(Tc-AV)を用いてラット心筋虚血再灌流モデルにおいて各種インターベンションがアポトーシスに及ぼす影響を検討した。対照群としては左冠動脈(LCA)を20分間閉塞し、その後再灌流30、90分後にTc-AV(100-200MBq)を投与した。Preconditioning群では5分閉塞5分再灌流を4回繰り返した後に対照群と同等に20分虚血再灌流を行った。Postconditioning群では20分虚血後に10秒再灌流と10秒閉塞を6回くり返し再環流した。Caspase阻害剤投与群では虚血20分前にQ-VD-OPhを投与した。いずれも30,90分の再灌流後にTc-AVを投与した。その1時間後にLCAを再結紮し、直後にTl-201(0.74MBq)を投与し1分後に屠殺した。2核種オートラジオグラフィにてTc-AV(アポプトーシス)とTl(虚血範囲)の分布を画像化し解析した。対照群ではTc-AVは不均一に再環流30、90分ともに虚血部のmid myocardiumに集積した。正常部に対する虚血部のTc-AVの集積はそれぞれ4.15±1.89,3.70±1.41であった。Preconditioning群では集積はそれぞれ1.17±0.29,1.33±0.74に著明に抑制された。Postconditioning群ではそれぞれ,2.09±0.56,1.88±0.69に抑制された。Caspase阻害剤投与群ではそれぞれ2.08±0.50,1.27±0.24に抑制された。いずれのインターベンション群でもTUNEL染色にて陽性細胞数は著明に減少した。 以上よりTc-AV集積はCaspase阻害剤で有意に抑制されることにより、その集積はアポトーシスを反映していると結論されるた。従ってインターベンションによる虚血誘発性アポトーシスの変化をTc-AV画像により観察可能であると考えられた。
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