研究概要 |
我々は、1996年より冠動脈イメージング用の造影CTデータを用いて、心臓全体の多時相の体軸横断面の再構成を行うことで、2Dおよび3Dで動画(心機能)の観察が可能な心臓CTイメージング法を開発し、その成果と可能性について国内外の学会や論文にて発表してきた。(北米放射線学会=1997〜2006連続10年、米国循環器病学会=2001-2006連続6年、等。Circulation 6編,Radiology 1編,AJR 1編、JMRI 1編、英文教科書「CT of the Heart」、等)。一方マルチスライスCTを用いたCT冠動脈造影法は、臨床現場で実用されるまでに至った。 CT冠動脈造影法と同じデータを用いて冠動脈イメージと心機能の情報が得られるので、融合イメージによって冠動脈とその支配領域の心機能を分かり易く表現される。例えば狭心症や心筋梗塞症例などの責任感動脈と心機能(血流)の異常部位・範囲との関係が一目瞭然となり、治療戦略を立てる上で非常に有用となる。我々は、造影CTのデータを用いて、試験的に2つのワークステーションで、表示方向を視覚的に手動で合わせて、心機能カラーマップと冠動脈ツリーを別々に作製し、それをまた別のパーソナルコンピュータの画像処理ソフト(PhotoShop)で画像の融合を行った。この手間のかかる手動処理により、冠動脈病変を主体とする各種心疾患の融合画像を作製し、その有用性を検討し、国内外の学会にて報告をし、一方で原著論文(英文)として投稿した。(Image fusion of coronary tree and regional cardiac function image using multislice computed tomography. Higashino H, Mochizuki T, Haraikawa T, Kurata A, Kido T, Nakata S, Sugawara Y, Miyagawa M, Miki H, Koyama Y, Okayama H, Higaki J.Circ J.2006 Jan;70(1):105-109.)
|