研究課題/領域番号 |
17591279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
阿部 光一郎 九州大学, 大学病院, 助手 (00380387)
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研究分担者 |
佐々木 雅之 九州大学, 医学部, 教授 (40240907)
古賀 博文 九州大学, 大学病院, 助手 (90343318)
林 和孝 放射線医学総合研究所, 薬剤師 (00325458)
本田 浩 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90145433)
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キーワード | フッ素18標識アミノ酸製剤 / フルオロエチルチロシン / PET / 悪性腫瘍診断 |
研究概要 |
1.PET用アミノ酸製剤であるフッ素18標識フルオロエチルチロシン(以下、F-18 FET)の、腫瘍細胞への取り込みをインビトロ実験にて、同薬剤の生体内分布をインビボ実験にて検討した。 2.インビトロ実験:腫瘍細胞としてマウス胸腺腫細胞であるEL4を、対照正常細胞として正常マウスから分離した脾細胞を用いた。それぞれ同濃度の細胞にF-18 FETを添加して、最終的に5.1MBq/mLの濃度とした。培養時間の異なる各グループに分け、F-18 FETのEL4細胞および脾細胞への取り込みを測定した。(結果1.)F-18 FETのEL4細胞への取り込みは、F-18 FET添加後30分以内にピークに達し、その後徐々に減少した。一方、F-18 FETの脾細胞への取り込みの増加は見られず、経時的な変化も認められなかった。(結果2.)F-18 FETのEL4細胞への取り込みは、添加後10-30分で脾細胞の約30倍であり、有意に高値を示した。 3.インビボ実験:37-185MBqのF-18 FETをマウス尾静脈より投与し、経時的にマウスを解剖し各臓器を摘出した。各臓器へのF-18 FETの集積を測定した。(結果1.)F-18 FETの正常臓器への集積は、F-18 FET投与後30分以内にピークに達し、その後徐々に減少した。(結果2.)F-18 FETの正常臓器への集積は膵臓が最も高かったが、その他の正常臓器への集積は筋肉とほぼ同程度であった。各臓器への集積程度は、F-18 FET投与後60分の対筋肉比で、膵臓(6.53±2.41)、肺(1.52±0.14)、肝臓(1.09±0.18)、腎臓(1.49±0.27)、骨(0.56±0.16)、脳(1.05±0.12)であった。 4.以上、F-18 FETが、正常臓器に比べて悪性腫瘍により高度に集積する可能性があり、悪性腫瘍の診断における有用性が示唆された。
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