研究課題/領域番号 |
17591286
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
増田 和彦 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00381799)
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研究分担者 |
三好 一郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10183972)
安居院 高志 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00212457)
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キーワード | 放射線高感受性 / 原因遺伝子 / 連鎖解析 / Quantitative trait loci(QTL)解析 |
研究概要 |
LECラットの放射線高感受性について、従来より行っている連鎖解析及びQuantitative trait loci(QTL)解析の結果、第4番染色体上のある特定遺伝子領域が原因遺伝子の存在部位として強く関与していることが判明した。そこで、今年度はその特定遺伝子領域及びラットのゲノム情報を基に原因遺伝子を同定しその原因遺伝子としての証明を行う予定であった。結果については、まずその特定遺伝子領域に位置する遺伝子群を選択した。そしてLECラット及び野生型ラットより全身の各組織からRNA抽出、cDNA合成を行い、その両者のcDNAを基に選択した遺伝子それぞれについてRT-PCRを行いLECラット及び野生型ラット間でRNAレベルの発現の有無を比較したが、選択したすべての遺伝子について差を認めなかった。次に、LECラットにおいて選択したすべての遺伝子の塩基配列を決定し、野生型ラットの塩基配列情報を基にLECラット及び野生型ラット間で塩基配列を比較することで欠失もしくは変異を認める遺伝子の存在の有無を同定する実験を行っているが、現在までまだその遺伝子は認めていない。なお、放射線高感受性の原因遺伝子の候補遺伝子を同定した場合は、次にその証明を行う予定であるが、その準備段階として、LECラット及び野生型ラットの皮膚から線維芽細胞を単離培養し、両者の線維芽細胞にX線照射を行い、LECラットから単離した線維芽細胞が野生型ラットから単離した線維芽細胞よりX線高感受性であることを確認した。来年度の実験計画としては引き続き特定遺伝子領域に位置する遺伝子についてLECラット及び野生型ラット間で塩基配列を比較する実験を行うことによって原因遺伝子の候補遺伝子を同定しその証明実験を行う予定であると同時にその遺伝子によって放射線高感受性にいたる機能解析を行う予定である。
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